百鬼夜行03 ページ11
作者不詳の短い作品。
現代語訳が隣のページに載っていたので読み進めた。
古典作品には妖怪が出てくる話が多いようにも感じる。
この話もその一種なのだが、
ある所に一人の若い女の人が居た。
その女性は優しくて綺麗で町でも評判の人だったらしい。
しかし、その人は突然変わってしまったという。
見た目はその女性そのものなのに、別人のようになってしまったのだという。
笑顔もなくなり、とうとう行方不明になった。
町では妖怪に取り憑かれたのだ、もしかしたら最初から妖怪だったのかもしれない、などと噂が立つも真相は不明のまま終わってしまう。
「岡本。」
名前を呼ばれて、顔を上げる。
すると古典の先生がこちらを見ていた。
「67ページの5行目から。」
前の席から静かに聞こえたその声に慌てて自分が当てられたのだと気付く。
油断していた、普段は当てられることなんてほとんどないから。
・
・
「さっきはありがとうね。」
「全然。それよりもどうしたの、ボーっとしちゃって。」
「他のページ読んでた。」
「学習意欲があって大変よろしい、先生は感激しました!」
「裕翔は先生じゃないでしょ。」
「あれ、バレた?」
「バレバレだよー。」
平凡な毎日が今日も過ぎていく。
君は君のままで、俺は俺のままで。
「今日は部活だっけ?」
「うん、もうすぐ大会だから。」
最初は人数が足りないというピンチを救うために助っ人で参加したバスケ部も、今ではエースまで上り詰めた。
試合には応援に行くよ、とエールを送って今日も一日が終わる。
・
・
その夜のことだった。
今日は何となく、彼を見習って勉強を頑張ってみようという気になった。
明日も学校だから徹夜は出来ないけれど、出来るところまでやってみようと教科書を開く。
それからしばらくして、そろそろ限界が来る。
力が入らなくてペンが机に落ちる音で目が覚めた。
「……もう寝ようかな…。」
時計は11時30分を示していた。
普段はここまで勉強をする気にはならないので、週に一回くらいは頑張ってもいいかもと思った。
達成感があるうちに寝てしまおう。
そう思って電気を消したその時、
かなり遠くの方で太鼓の音が聞こえた気がした。
小さな音だったので聞き間違いかと思ったが、もう一度太鼓の音がした。
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天凪(プロフ) - ぴよさん» うわわっ!ありがとうございます!まさか、ぴよさんに読んでいただけるなんて思わなくて、すごくびっくりしちゃってます…!嬉しすぎるご感想もありがとうございます!またお暇がありましたら、いつでも覗きにきてください(*'▽'*)♪ (2017年4月19日 8時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 天凪さんこんにちは☆Twitterでだいちゃんハピバ作品の紹介を見て初めて読ませて頂きました。ちょっと不思議でドキッとするお話達でとても面白かったです( ´∀`)私も妖怪とか好きなので“百鬼夜行”とか妙に反応してしまいました 笑 楽しみにしています* (2017年4月16日 7時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - いちごみるくさん» 素敵なご感想ありがとうございます!「君と同じ」ですが、基本的に続編は全作品の投票により1位を獲得したもののみを掲載しています。申し訳ありませんが現段階では難しく、掲載できるのは最低でも移行先になります。ご迷惑をお掛けしますが、ご了承ください。 (2017年3月14日 16時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - テキストブックとても面白かったです。最後ちょっと怖くてビックリしました。ありやまの君と同じ、めっちゃ好きです!続き書いて欲しいです。ご検討下さい。これからも楽しく読ませて頂きます。更新頑張ってください! (2017年3月12日 23時) (レス) id: 8cba3c5e74 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 紗也さん» 嬉しいご感想ありがとうございます!声に出していただけるほどゾッとしてもらえたなら光栄です。文章力の無さが悩みでしたが、そう言っていただけて少し自信がつきました!これからも応援よろしくお願いします! (2017年1月26日 19時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
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