「いい嫁に」 ページ23
.
「美味しいから美味しく食べるのは当たり前じゃねぇ？ おまえ、将来いい嫁になれるよ」
「え、ほんと！？ お兄ちゃん、たまにはいいこと言う！」
その言葉に、どき、とする。こんな事、好きな人に言われたら誰だってドキドキするはずだ。
さっきまで忘れられていたのに。お兄ちゃんのせいで、またこの感情が戻ってきた。
まだ、完全に忘れられていないのかな。
「……まあ、それ以前に嫁になれるかが問題だけどな」
「前言撤回」
そう言って、私は笑った。お兄ちゃんも、それに笑顔を浮かべてくれた。
ちょっとずつだけど、忘れていけたらいい。ちょっとずつ忘れていって、カンペキに忘れるように。
「あー、にしてもうめぇよな、ほんと」
「褒めても何も出ないよ？ あ、これなら出るけど」
そう言って、お兄ちゃんに紙くずを渡す。さきほど、捨てようと思っていた紙くずだ。
それを見て、お兄ちゃんは溜息をつく。
「俺に捨てに行けって言うのか？」
「お、察しがいいね、今日のお兄ちゃんは」
「いつも察しがいいんだよ。……ったく、これでも兄なんだぞ、」
そう言いながらも、捨ててくれるお兄ちゃん。私は、ありがと、と御礼を言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴乃(プロフ) - ぐーたんさん» コメントありがとうこざいます！引き込まれる、とのコメント、凄く嬉しいです！応援ありがとうございます！！ (2018年1月13日 21時) (
レス) id: 06a9187ae1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐーたん(プロフ) - コメント失礼します！ すごく引き込まれて、先がきになってお気に入りにしてますっっ！ これからどうなっていくのか楽しみです！！これからも応援してます！ (2018年1月13日 21時) (レス) id: c5a1791278 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椿 柊乃 x他1人 | 作成日時：2018年1月12日 21時
