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「それにしても知らなかったよ〜。あの快斗に、彼女が出来てたなんて」
青子はそう言って、快斗ににやりと笑った。快斗は「はぁ!?」と大声を上げる。私も、青子のその発言に目を見開いた。
「か、彼女、だなんて。そんな、」
好きな人の彼女、なんて言われて嬉しくないわけがない。否定しなきゃと思えば思うほど、否定出来なくなってしまった。『そんなわけない』と言おうとしたけれど、やっぱり言えなかった。
「そ、そんなわけねぇだろ、コイツ小学生だぜ? ほんと、青子って馬鹿だなぁ」
「はぁ!? 誰が馬鹿よ、快斗に言われたくない!」
しかし、快斗は否定する言葉を言った。それに、青子とまた、言い合いを始める。快斗を好きだと気付いた私にとって、嫌な光景だった。
「……そんな顔、すんなよ」
その時。
ぶっきらぼうにそう言った快斗は、ぷいっとそっぽを向いた。私は目を見開いて、快斗を見つめる。
「快斗ったら、本当は心配してる癖に〜」
それをすかさず、青子が弄り始めた。そんな事言われたら、にやけてしまう。気持ちを悟られない様に、下を向く。
「何、下向いてんだよ」
そんな私に、快斗がそう言った。私の心臓は、快斗に聞こえそうなくらい、音が鳴っていた。
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青龍 葵(プロフ) - 読んでて疑問に思ったのですが、夢主が「蘭」のことを「蘭姉ちゃん」と呼べるようになったと書いていながらも所々『蘭ちゃん』呼びなのはどうしてですか?脱字ですか? (2018年7月10日 3時) (レス) id: 00ef3d910e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 柊乃 x他1人 | 作成日時:2018年1月27日 16時