【名探偵コナン】今宵、貴女の心を盗みます。 (ページ39)

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「えっ！？そ、そんなわけないじゃん！バカなこと、言わないでくれる！？」

　焦って声が裏返る。それでも、何とか誤魔化せた様で、ホッとした表情を見せたコナンくん。その表情の意味が、理解出来なかった。
　だって、コナンくんの好きな人は蘭の筈だ。なのに、私の好きな人がキッド……快斗だからと言って、関係ないと思う。

「何で、コナンくんがそんな顔するの」
「ッ、別に何でもねぇよ」

　私が聞くと、コナンくんは寝返りを打った。私に背中を向けるコナンくん。少し寂しいな、とそう思ってしまった。

「コ、ナンくん……、こっち、向いてよ」
「……A」

　名前を、呼ばれた。コナンくんは、もう一度寝返りを打つ。コナンくんの顔が、ドアップで映し出されていた。
　コナンくんの顔は、赤く染まっている。けれど、照れる理由が分からなかった。

「何で、そんな照れてるの」
「さ、さっきも言っただろ。照れてねぇから」
「本当？何もないなら、何もない顔をすれば良いのに。コナンくんには、蘭姉ちゃんがいるでしょう？」

　そう聞くと、コナンくんは黙り込んでしまった。それから、自分のした発言を思い出す。コナンくんは今、幼児化していて蘭に気持ちを伝えられないでいるのだ。
　そんな時に、そんな言葉を言ったらきっとコナンくんも苦しい筈だ。