【名探偵コナン】今宵、貴女の心を盗みます。 (ページ34)

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「ま、まぁ、私は……」

　コナンの事、結構好きだからね。……その言葉を言おうとしたら、口が開かなくなった。自分でも、言うのは抵抗があるのかもしれない。
　いくらそれが、“友達としての好き”だったからと言って、そんな易々と『コナンくんが好き！』なんて言えるわけがない。

「私は、なんだよ？」

　にやりとコナンくんが笑いながらそう言った。これは、言わなければならないと言う事なのかもしれない。

「こ、コナンくんが」
「？」
「――す、好きなの」

　そう言うと、それをそばで聞いていた平次は「おぉ！告白やな！」と笑っている。嗚呼、やっぱり違う風に解釈されていたみたいだ。

「……え、マジで言ってんのか？」
「ち、違う！！と、友達として好きだからって言う意味で……！」
「なんやぁ、つまらんなぁ」
「うるさいよ、平次くん！それに私には、ちゃんと他に好きな人が……あっ」

　それを言った瞬間、やってしまったとふたりを見る。ふたりは、にやりと笑いながらこちらを見ていた。聞こえてなかった、そんな偶然を望んでいたが、やはり現実はそう甘くない。