【名探偵コナン】今宵、貴女の心を盗みます。 (ページ3)

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「あなたは……？」
「僕、江戸川コナン！キミの名前はなんて言うの？」

　満面の笑みを浮かべて、コナンくんはそう言った。見る限りでは、小学1年生ぐらいだと思う。

「私は、A」
「そっか、Aちゃんね！よろしく」

　コナンくんも、見た事がある。そう、彼は確か、黒の組織から薬を飲まされ……幼児化した人物、だったはずだ。そして、幼児化される前の名前は、工藤新一。東の名探偵と呼ばれていたはず。

　どうしてこんなにも、知らないはずの事を知っているのだろうか。

　それに、どこか違和感を感じていた。この世界で、目覚めた時から。蘭さんや、コナンくんに会ったその時から。

　そして、理由が分かった。私は、トリップして来たんだ、と言う事を。

「ところで、Aちゃんは毛利探偵事務所の前で倒れていたみたいだけど、何か覚えてる？」
「え？」
「ほら、お母さんの事とか」

　お母さん、か。私はトリップして来たので、この世界での私のお母さんの事は分からない。というか、この世界で私のお母さんがいるのかも不明だ。