26. 振られた、可哀想な ページ26
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「…はぁ。もう、本当未練タラタラな自分が嫌だ」
「もう、実結」
どうして私は、こんなにも元彼に付きまとっているんだろう。そうだ、彼にとっては嫌な迷惑かもしれない。それに、那智さんと付き合っていたのなら、あの私は完全に邪魔者だ。
「実結の運命の人は、好きな人じゃない時もある。必ずしも夏希君ってわけじゃないから」
そう言って、侑梨は私に向かって微笑んだ。なんていい子なんだ、と私は思う。するとそこへ、修弥が私を見下した様にしてやってきた。
「お前、マジで振られたのか? まぁ仕方ないよなぁ…那智、優しいし、可愛いし」
「…なんで、アンタがその事」
「あれ、お前知らなかった? 俺と夏希、中学生の頃友達だったからな。まあ、振られた可哀想な実結ちゃんにお知らせ。気分晴らしにこの修弥様が奢ってやるよ」
奢ってくれるのは嬉しいけど、「振られた可哀想な実結ちゃん」とは言わないでほしいな、と思ってしまった。さらに心をえぐられる感じだ。
「もー、少しは言葉考えてよ、修弥。ま、そんなとこには感心だけどさぁ」
侑梨は溜息をついている。まぁ、気分転換にでもいいか、と私はそれを行く事にした。
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作者名:琴乃 | 作成日時:2017年7月17日 23時