思ふほど、切なくて【名前変換オリジナル】 (ページ20)

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20. 勉強会ページ20

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　約束の日。少しオシャレをして、少しドキドキして、待ち合わせの場所へ向かう。と、もう夏希はそこに立っていた。遠慮しながらも、夏希に近付くと、夏希はこちらに気付いてくれた様で、こちらを向いた。

　あぁ、この感覚、知っている。私が、夏希と付き合っていた時の、この感覚。

「よぉ、実結」
「うん、夏希」

　言い返しが思い付かなくて、そう言った。すると、ふっ、て、夏希が笑っていた。その笑顔を見ただけで私の心臓はドクン、ドクンと鳴り響く。未練はないって、思ったのに。忘れるって、決めたのに。

「ねぇ、どこで勉強するの？」

　実は、勉強とは言っても、どこで勉強するかは知らなかったのだ。さすがに、夏希の部屋はダメだ。でも、夏希はその事を思ってか、図書館、と言ってくれた。

＊＊＊

　図書館につくと、夏希は教科書などを広げていた。私も、同じ様に机に置く。夏希は私の広げている課題を覗き込んだ。顔が近くて、どきりとする。

「ど、どうしたの？」
「いや、分からない所って、どこかなって思ってさ」

　あぁ、確かに。持っているプリントは、全部手書きの文字が書いてある。焦って、もうしたプリントを出してしまった。私は、慌てて違うプリントを出した。

「ここ、だよ」