18. そんな奴じゃない ページ18
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「で、どうだったんだ?」
「……はぁ」
「え、なに、そのテンションの低さ」
朝、修弥が私に問いかけているのは、昨日の事。『彼氏じゃねぇんだから』って言うセリフが、いやでも頭に残っている。だって、好きだったから。大好きだったから…。
「昨日、いい雰囲気になってたのに…、『お前の彼氏じゃねぇんだから』って笑われた」
「うわ、やっぱ夏希はそう言う奴なんじゃねぇの! 実結って見た目よりも騙されやすいしな」
「うるさい、修弥…。事の発端は、修弥だからね?」
「でも、連絡先交換出来たのは俺のおかげだな!」
……なんて、どこかウキウキしている修弥。相談乗ってくれるのかと思っていたけれど、やはり修弥はそんな奴じゃない。いい方にとらえるので、私の心がグサグサと刺されていく。
「あ、渡瀬じゃーん! また実結とラブラブしてる! 渡瀬って、中学生の時、実結と一緒の学校だったんでしょー? 嫌いなら普通…って、怖! そんな目で見ないでよ、渡瀬〜! 冗談じゃんっ!」
私達を茶化してくる侑梨を睨みつける修弥の瞳が怖かったのか…、侑梨は慌てて冷や汗をかきながらそう言った。
「夏希は、そんな人じゃない。私の事、嫌いになって別れたんじゃない…よ」
「お、不安そうにしてる。ま、俺には関係のない事だな。後は侑梨、よろしく〜」
「えっ!」
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作者名:琴乃 | 作成日時:2017年7月17日 23時