思ふほど、切なくて【名前変換オリジナル】 (ページ16)

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16. 元カノだからページ16

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「………えっと、」

　何を話せばいいのか、分からない。気まずい雰囲気の中、黙々と歩く私達。正直、この雰囲気は嫌いだ。でも、修弥がせっかく作ってくれた機会を、逃すわけにはいかない。

「け、携帯…持ってるよね？」
「持ってるけど」
「……あの、携帯買ってもらったから、交換しようかなって。いや、ムリならいいんだけど」

　夏希は、「え？」と言う顔をしている。やっぱり、ダメだったか。そんな事は知っている。だって、私は元カノだから。繋がってはいけない、と言うのも分かる気がする。

「……いいけど」
「え？」
「いいけど、って言ってるんだけど？」

　少し照れているのか、そっぽを向いている夏希。信じられなくて、嬉しくて、私は笑顔でお礼を言った。夏希は「別に、これぐらい……」と、連絡先を交換してくれた。

「あ、そう言えばさ、お前。渡瀬と高校一緒だっけ？」
「あっ、そう。あれだけ私の事ボロクソ言ってきたくせに、同じ高校。もう最悪…。…まぁ、今もボロクソ言われてるんだけど」

　最後の言葉は、小さく言った。もちろん、夏希には聞こえていない。夏希は、まだそっぽを向いているので、呆れ顔なのか、嫌な顔なのかわからない。