13. ライバル ページ13
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「あー、那智! 久しぶりじゃん!」
「あ、確かに。忙しくてあんまり会えなかったよね。それにしても、みんな大人っぽくなってるなぁ」
しばらくして、那智ちゃんがやって来た。あまり話した事はないけれど、一人でいる時に話しかけてくれたり…など、かなり良い子だった。
けれど、私と夏希が付き合ってから、態度が変わった。冷たく接する様になり、朱美に私の悪口を言っていたと聞いたことがあって。
無駄に強がりだった私は、「別に気にしてないし。思う存分、言ってください」なんて言っていたのに、結局気になっている。
「…あ、夏希はー?」
「夏希はねぇ、あ、いた! ほら、実結の隣にいる!」
「……また、実結?」
不満そうな声を出す、那智ちゃん。私の肩は、ビクッとしてしまった。朱美と那智ちゃんは仲が良いので、那智ちゃんは朱美の方に走っていく。
「朱美! 久しぶり〜」
「久しぶり、那智」
「あ、夏希も久しぶりじゃん!」
「あぁ。それより那智、アイツらはいいのか?」
「いいから来たんじゃん」
はぁ、と、ため息をつく那智ちゃん。私に挨拶をしてくれない所とか、少し気になってしまう。
「……那智ちゃん、久しぶり」
「…あ、実結、久しぶり! え、すごい変わってる!」
でも、ちゃんと私が言った言葉には反応してくれたから、よかった。これで無視をされたら、傷付いていたのかもしれない。
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作者名:琴乃 | 作成日時:2017年7月17日 23時