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12. 仲良し ページ12

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「お、仲良くしてんじゃん」
「……っ!」


 声が聞こえた。大好きな、声が。……夏希、夏希。私は心の中でそう叫ぶ。声にならない悲鳴が、私の中に起こる。恐る恐る振り返ると、夏希は無表情でこちらを見ていた。


「あっ、え、えっと、久しぶりだね、市川!」
「おお…、宮古じゃん。久しぶり」
「……え、っと、夏希。久しぶり……」


 未練たらたらなのは、相手に失礼だ。私は、意を決して話しかけた。すると、夏希はふっと笑って、


「久しぶり。実結」


 と、私の大好きな声で言った。思わず、心臓がドクンとなる。先ほどまで無表情でいたからなのか、安心感がすごい。ヘナヘナと座り込んだ私に、修弥は悔しそうな顔をしていた。


「お前っ、いい気になりやがって! 腹立つ!」
「……っ、し、知らないし! それに、修弥だって!」
「俺だって、なんだ?」


 その時。修弥が、凄く悲しそうな顔をしていて。思わず、言うのをやめてしまった。夏希も、朱美も、私のその行動に頷いている。


「そう言えば、修弥と実結って、同じ高校で、同じクラス、だったっけ」
「あぁ、そうだよ! こいつ、ホントうっとうしいから。もう、夏希に変わってほしいぐらい」
「はぁ? 何言ってんのよ、それなら修弥と変わってほしいくらい」


 言い合いをする二人を見て、夏希は少し嫉妬をしてしまった。

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作者名:琴乃 | 作成日時:2017年7月17日 23時

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