好 き な 奴 ||【 ｼﾙｸ 】

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「でも、二人は付き合ってて…」



「私の事はいいの。私はね、シルクに幸せになってほしいの」



「あの…」




「…始めはほんとうに性格悪いと思ってたんだよ、Aちゃんの事」




「え？」









また急に語り出した智沙ちゃん。




でも、その横顔は真剣な顔。




笑う気になんて、なれなかった。









「始めはね、シルク達と学校にいって。友達といけよって思った。自己中だし、最悪じゃないって思った」




「……」









智沙ちゃんは、今、自分の思いを口にしていた。




それがどれだけ緊張するか。ドキドキするか。




…智沙ちゃんは、今、どんな気持ちをしているのか。









「のちに、シルクが好きだって気付いた。その時は奪ってやろうって思ってたんだ。シルクの事」




「そ、っか…」









少し辛い。




でも、こうしてはっきりと言ってくれるほうが、私はいい。




でもね、智沙ちゃんは奪ってない。




私の気持ちを伝えるのが遅かっただけ。









「でも、私も気付いたら好きになってて。彼女だった時期は、本当に、幸せだったなあ…っ」




「…！」









涙を零して、そう言った。

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