俺の気持ち【ky】 ページ3
.
「はぁ…。」
コイツは、さっきからずっとこんな調子だ。
コイツの名は、A。俺の幼馴染だ。
Aは、小さい頃からずっと好きだった。
けれど、その気持ちに気付いたのは少し前。
親友の、レトさんに気付かされたのだ。
そして今、なぜAがこんなに落ち込んでいるのかと言うと。
……好きなヤツに、振られたから。らしい。
幼馴染の俺を利用してるのかは知らねぇけど、好きな人ができた、付き合った、振られたって言う報告は全部してくる。
お陰様で、Aを好きな俺からしたら溜息をつきたくなる。
今だってそう。別れたって事を報告しにきた。
「はぁ、なんでいつも俺に報告しにくいるのかね。」
「キヨなら、聞いてくれそうだもん。私の辛い事、悲しい事、全部。」
「…。」
俺なら、聞いてくれそうだから。
それはお前だけだよ、と言いたい。
お前だから聞こうと思えるんだ。お前だから、知りたいと思えるんだ、と。
「でも、いつまでも聞けるわけじゃねぇよ。」
「…っ、いや、だった?」
俺の冷たい言葉に、驚きながらもそう言うA。
俺は、その質問には答えず、Aを引き寄せ、耳元で囁いた。
「俺の気持ちも考えろよ。俺だって、」
“俺だってお前の事、好きだから。”
そう言った時、Aの瞳が揺れた気がした。
それから、Aは俺の腰に腕を回し、静かな声で言ったのだった。
「ふふ、ありがと。
私も、好きだよ。キヨくん…。」
その言葉を聞いた瞬間。俺はAをさらに引き寄せて、顔を近づけた。
そしてふたりの影が重なり––––。
13人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
/ 琴乃. Kotono(プロフ) - ねむりかわねごと@じょしさん» コメントありがとうございます!そうですね、神曲ですよねっ! まだまだにわかなんですけれど、もっと実況とかいっぱいみたいなって思います! 応援ありがとうございます!! (2018年1月9日 15時) (レス) id: 06a9187ae1 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりかわねごと@じょし(プロフ) - 短編で読みやすく、とても面白いです!全身デイズ、良いですよね!これからも応援してます。 (2018年1月9日 13時) (レス) id: 745cc256e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琴乃 | 作成日時:2018年1月9日 11時