【名探偵コナン】そっくりな物語があるので。

ナンパ。 ページ18

彼女の事情聴取と手当てが終わった後､
話しかけてみた。


「ねーねー､お姉さん?」

『? 誰…!!』


サラサラと靡(なび)く黒髪｡透き通る深い茶色の瞳。
振り返った彼女は急に話しかけられて戸惑っていた。


「お姉さん強盗一人で倒したでしょ?
　まだ若い女の子なのに凄いなと思って」

『え､あ､ありがとう…?』


あの動きはただの一般人じゃ出来ない。
普通銃弾を避けるどころか足がすくむはずだ。


『……事件に遭うの初めてだったんですけど
　まさか人質とは(笑)』

「笑って言うことじゃないよそれ」

『そういう貴方こそ笑ってるじゃん』


へへっと笑う彼女は､普通の女の子そのものだった｡


君のこと､もっと知ってみたい。




…そう思った。



「お姉さん今から時間空いてる?」

『あ､はい』

「こんなのの後だけど一緒にお茶しに行かない?
俺のおごりで。」

『え､そんなっ､いいんですか?』

「勿論｡君のこと色々聞いてみたいしね」

『じ､じゃあお言葉に甘えて…?』

「よし決まり｡その辺のファミレスでいい?」

『はい』

「よし｡じゃあ行こっか」


一見端から見ればナンパだが､こう見えても
強盗事件の後､元人質と被害者である。


俺はこの子とは､普通の友達として。



何事もなく､やっていける。









って思ってたよ。俺もさっきまで。

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