アイ・オープナー (ページ1)

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映画みたいな恋も、憧れたラブロマンスも現実には何一つだってない。ただ平凡に毎日が過ぎていくだけ。自分を犠牲にしてまで愛することとか、そんなこと経験したことない。そもそも恋愛なんていまいちよくわかっていない。

何となく好きかもと思って付き合って別れて。現実と理想のギャップはいつだって無慈悲だ。留学だってそう。あんなに憧れてずっとずっとしたかった留学もいざしてみると全然上手くいかない。なかなか上手く自分の気持ちを伝えられないし、ただでさえ自分の気持ちを上手く話すのは苦手なのに言語が違えばさらにそうだ。もしかしたら自分を変えられるチャンスかもなんて思ってもいたが、結局どこにいたって自分は自分だった。

じわりじわりと心に重みを背負い続けてしばらくした頃、インターンシップのプログラムがあった。一人一人企業訪問をするという。訪問する会社はランダムに振り分けられるという。各自で質問を考えておくようにと言われた。どうしよう、まだやりたいこともちゃんと決まってないのに。

とりあえず当たり障りない定番の質問を持っていくことにした。私が行く会社はKMcompanyという大企業だった。キムミンギュという27歳という若さながら1人で企業を立ち上げたと今話題の会社だった。

失礼のないように事前に調べていると、キムミンギュはとてもかっこよかった。とにかく美形で身長も186cmもあるらしい。こりゃモテるなというのがまず第1印象だ。