44 ページ44
.
「分かんない、って」
「だって分かんないんだもん」
そう言って、口をへの字にしたAが、子どもみたいで。
その顔が可愛くて面白くて、俺にとっては辛いことを言われてるはずなのに、何故か笑いそうになった。
「…何でニヤニヤしてんの」
「…いや、おもろい顔してんなって」
「ひどい！もうやだ！もう廉と喋らない！」
「あっはは！ごめんって」
冗談でからかうと、Aが机に突っ伏しながら言った言葉が面白すぎて。
堪え切れなくなった俺は盛大に笑った。
いや、立場的に言うと、突っ伏したいのは俺の方やで？
「Aちゃ〜ん」
依然として机に突っ伏したままのAの頭をぽんぽん、と優しく叩くと、まだAは不服そうな顔をしながら顔を上げた。
「紫耀のこと好きかどうか分からんの？」
「…分からんの」
「ぶっ。お前ほんま可愛いな」
今度は本気で言ったのに、またからかったように聞こえたらしく、Aは上目遣いで俺を睨んだ。
ほんまに歳一個上か、コイツは。
「ほんじゃーまー、分からんまんまでいいんちゃう。俺にとってはそっちの方が都合いいし」
「むー…」
アドバイスなんて、するわけない。
俺もまた、ズルい男で。
正直、好きな女にここまで自分の気持ちさらけ出して、駆け引きもクソもあったもんじゃないけど。
逆に、俺の気持ちを知ってるからこそ、Aはそれ以上何も言わなかった。
それでいい。
好きな女の恋の相談に乗るほど、俺は出来た人間じゃない。
「なぁ、最後に一つ聞いていい？」
「…なに」
「俺にもまだチャンスある？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 629人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
a(プロフ) - コアラさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年1月21日 17時) (
レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - るるるさん» ありがとうございます！嬉しすぎます。。更新頑張りますね！ (2019年1月21日 17時) (レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
コアラ - 続きがとても楽しみです！頑張ってくださいね (2019年1月21日 16時) (レス) id: 4ddbf6bb99 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - いつも拝見させて頂いております。こんなに面白くてワクワクして続きが気になる作品に初めて出会いました。いつも更新楽しみにしております！ (2019年1月16日 15時) (レス) id: e03c1e5a40 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - 叶恋さん» わー！嬉しすぎて泣きそうです！ありがとうございます！頑張りますね。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：a | 作成日時：2018年9月11日 23時
