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3月になり、Aが留学する日。俺は空港の見送りする場所でアイツを待っていた。
「縁下…なんで…。」
キャリーバッグを引いて全ての手続きを終えてココで飛行機を待っているのだろう。
「ごめん。A。」
頭を下げて謝る。
「もう良いよ、縁下。私の方こそごめんね。」
そう言って抱きついてくる。
「もう良いよ。怒ってないし。俺も言い過ぎた。」
「意地張ってたから、帰って来づらくて…。ホントにゴメンね…。」
「良いよ。留学頑張ってね。」
「うん…何も言わなくてゴメンね。離れるのは凄く嫌だし淋しいけど…。」
「連絡入れるし、電話もちゃんする。俺、お前と別れる気ないから。」
「私もだよ。いないからって浮気すんなよ。」
「しねぇーよ。お前こそ俺よりイケメン外国人を見つけたからって浮気すんなよ。」
「私は普通顔のお前でじゅーぶん満足してるし。お前しかいない。」
「はは。そうかよ。あ、そうだ。これ渡したかったんだ。」
「え？何？」
持ってた肩掛けのバックから小さな箱と2枚の紙を取り出した。
「行っちゃう前に。俺と結婚して？」
涙を出して俺に抱きつくA。
「良いに決まってんじゃん。バーカ。」
急いで紙を書いてハンコを押して貯めまくったバイト代で買ったメチャ高い指輪を渡す。
「ありがとう…。」
「俺が出しておくよ。」
「うん。」
「あとコレ。」
俺が袋から取り出した物を見て
「コレ何？」
「エアリーフローラの花びらで作られた栞だよ。」
「何で…コレを？」
「レシピとか向こうの教科書を挟む時に使ってよ。」
「ありがとう…。」
「向こうに行っても頑張れよ。2年後待ってるから…。」
「うん、待ってて。帰ってきたら式を挙げてよ？」
「もちろんだよ。約束する。」
「約束だかんね！！」
「おう。ところで…。」
「何？」
「エアリーフローラの花言葉はな？」
“旅立ちを祝うって意味の花言葉があるんだよ”
｡.:*･ﾟFin°･*:.｡
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作者名：灯彗 x他6人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年1月2日 15時
