ディアハイヒール (ページ8)

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向井side

向「……なぁ。Aちゃんさあ、何で翔太くんとおったん？」

気になりすぎて電車ん中で聞いてみた。

ホンマは「聞いたらアカンねかな」とか思うたけど、聞かんかったら聞かんかったでモヤモヤすんねん。

恋しとるみんななら分かってくれるやろ？

「え？翔太とはたまたまコンビニで会ったの」

何や、そんだけなんか。

Aちゃんのこと疑っとる訳やないねんけど、てっきり翔太くんと会う約束でもしてたんかと──

「え、何、嫉妬してんの？可愛いなあ」

Aちゃんはエスパーなんか？

丁度俺が考えとったことを読み当てられた上に、Aちゃんにほっぺをツンってされてん。

めっちゃ恥ずいやん。

っちゅうか、Aちゃんのが可愛えやろ。

向「やって、翔太くんかっこいいし」

「多分翔太は私のこといじってるだけだよ？」

向「……ホンマに？」

「ホント」

向「俺のこと好き……？」

「当たり前じゃん！」

端から見たら"バカップル"なんやろうな。

やけど、こうして確認しとかな不安でしょうがないんや。

Aちゃんは世界一、いや宇宙一可愛えし。

それにノリもええから、本人が気付いとらんだけでモテる。

やから奪われそうで怖いねん。

Aちゃんはこんなネタ発動機みたいな俺でも好きでいてくれるし、失いたくないんや。

「……あ！そろそろ着くよ」

あっちゅう間に目的地まで到着しとった。

とりあえず、今は変なこと考えるのやめよ。

Aちゃんとのデートなんやから楽しまな！