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#2 ページ2

??「……ん、……ちゃん、Aちゃん!」


「……え?」


誰かに名前を呼ばれ続けてたみたいで、何だか恥ずかしいような気分で目が覚めた。


私の目がぼんやりと捉えたのは、Theイケメンって感じの男の子。


身長は私と同じくらいだから、男の子にしては低い方かな。


??「良かったぁー。このまま目が覚めなかったらどうしようかと思ったわ」


男の子は端整な顔を少しくしゃっとさせた。


笑った顔も、かっこいい。


「あ、あの……貴方は?」


だけど、私の記憶が正しければ、彼とは初対面のはず。


??「あ、そういえば言ってなかったな。俺は山田涼介。よろしくな、A」


涼介と名乗った男の子は、再び微笑む。


……こんなイケメン、初めて見たわ。


「でも、山田くんは何で私の名前を知って──」


山「"山田くん"じゃなくて"涼介"って呼んでくれないと、教えられないね」


勝手に爽やか系イケメンだと思ってたのに、意外と悪魔的な一面もあるみたい。


ここは、悔しいけど従っておくかぁ。


「え……と、りょ、すけ」


山「んー? 聞こえないよ?」


このドS王子!


男子とろくに話したことないし、彼氏いない歴=年齢の私が頑張って言ったのに!


山「はい、もう一回」


反論してやりたいけど、逆らえないんだよな。


いつか慣れたら仕返ししてやる!


「り、涼介」


山「よく出来ました」


涼介が私の頭をポンポンと撫でてくる。


……一瞬、思考回路止まったんですけど。


ちょっとだけキュンとしてしまった自分が情けない。


絶対涼介って女慣れしてるじゃん。


どうせ私のこと馬鹿にしてるんだよ。


山「じゃあご褒美ね。俺が何でお前の名前知ってるか聞きたい?」


「当たり前じゃん!」


山「Aは俺の運命の相手だから知ってんの」


「……は?」


涼介ってそんなキャラなんだ。


"運命"とか興味なさそうなイメージだったのに。


「ってか、他にも聞きたいことたくさんあるんだけど」


山「んー、めんどいしスルーで。それより、せっかくAが起きたんだし、外の空気でも吸おう?」


疑問形にしておきながら、私の手を引いて走り出す涼介。


ちょっぴり疲れるけど、今まで出会ったことのないタイプだから面白いかも。








そんな考えは浅はかだった。

私が現実を知るのは、まだまだ先のお話。

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作者名:美月 | 作成日時:2020年1月7日 22時

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