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??「……ん、……ちゃん、Aちゃん!」
「……え?」
誰かに名前を呼ばれ続けてたみたいで、何だか恥ずかしいような気分で目が覚めた。
私の目がぼんやりと捉えたのは、Theイケメンって感じの男の子。
身長は私と同じくらいだから、男の子にしては低い方かな。
??「良かったぁー。このまま目が覚めなかったらどうしようかと思ったわ」
男の子は端整な顔を少しくしゃっとさせた。
笑った顔も、かっこいい。
「あ、あの……貴方は?」
だけど、私の記憶が正しければ、彼とは初対面のはず。
??「あ、そういえば言ってなかったな。俺は山田涼介。よろしくな、A」
涼介と名乗った男の子は、再び微笑む。
……こんなイケメン、初めて見たわ。
「でも、山田くんは何で私の名前を知って──」
山「"山田くん"じゃなくて"涼介"って呼んでくれないと、教えられないね」
勝手に爽やか系イケメンだと思ってたのに、意外と悪魔的な一面もあるみたい。
ここは、悔しいけど従っておくかぁ。
「え……と、りょ、すけ」
山「んー? 聞こえないよ?」
このドS王子!
男子とろくに話したことないし、彼氏いない歴=年齢の私が頑張って言ったのに!
山「はい、もう一回」
反論してやりたいけど、逆らえないんだよな。
いつか慣れたら仕返ししてやる!
「り、涼介」
山「よく出来ました」
涼介が私の頭をポンポンと撫でてくる。
……一瞬、思考回路止まったんですけど。
ちょっとだけキュンとしてしまった自分が情けない。
絶対涼介って女慣れしてるじゃん。
どうせ私のこと馬鹿にしてるんだよ。
山「じゃあご褒美ね。俺が何でお前の名前知ってるか聞きたい?」
「当たり前じゃん!」
山「Aは俺の運命の相手だから知ってんの」
「……は?」
涼介ってそんなキャラなんだ。
"運命"とか興味なさそうなイメージだったのに。
「ってか、他にも聞きたいことたくさんあるんだけど」
山「んー、めんどいしスルーで。それより、せっかくAが起きたんだし、外の空気でも吸おう?」
疑問形にしておきながら、私の手を引いて走り出す涼介。
ちょっぴり疲れるけど、今まで出会ったことのないタイプだから面白いかも。
そんな考えは浅はかだった。
私が現実を知るのは、まだまだ先のお話。
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作者名:美月 | 作成日時:2020年1月7日 22時