＊ ページ10
阿「…………はあ？ 嘘、でしょ」
自分が殺される恐怖に晒されて、阿部亮平は平常心を失ってる。
殺るんなら、今だ。
阿部亮平と一緒に呆然と立ち尽くしている相棒を置いて、ベッドの下へ素早く手を滑り込ませる。
……あった。
??「おい、お前──」
相棒が隣で喚いてるけど、無視してナイフを取り出す。
刃先に触れると、自分の指先から真っ赤な液体が溢れ出す。
これ、本物なんだ。
狼「ごめんね、阿部亮平。自分たちが勝つにはこれしかないんだ」
猫なで声を出しながら、一歩、また一歩と距離を縮める。
だけど、あと数十センチというところで阿部亮平が抵抗して。
一発目は空振りに終わった。
あーあ、めんどくさいなぁ。
溜め息を吐いてもう一度ナイフを構える。
阿「ち……ちょっと待って！」
逃げ場を失くした阿部亮平は必死に手を振っている。
このまま殺してあげてもいいんだけど、自分はそこまで残虐な奴じゃないからね。
狼「何？」
阿「このゲームのこと、スタッフさん達は知ってたの？」
はっ、最期に聞くことがそれ？
ホントお人好しだなぁ。
そんな正直者には現実を見せてあげないと。
狼「自分たちは"ドッキリ"としか聞いてない。これで十分でしょ？」
阿部亮平に返事をする間も与えず、すっかり無防備になっていた腹部へナイフを押し込んだ。
??「な……っ、お前、マジで──」
ナイフを通して、お腹に突き刺さっていく過程が生々しく伝わってくる。
それを感じる度に、さっきまで失せていた申し訳なさが込み上げてきて。
狼「ホントにごめんね」
もう聞こえてないであろう阿部亮平にそう囁いた。
自分が手を離すと、阿部亮平は不自然な姿勢で床に倒れこんだ。
これ、ホントに自分がやったの……？
今更ながら恐怖が自分の周りを包み込む。
??「お前……殺さずに助ける方法はなかったのかよ！？」
相棒が憤怒の表情で自分の腕を掴んでくる。
でも自分の身体の震えが伝わったのか、すぐさま苦しそうに顔を歪めた。
??「ごめんな、お前にだけ背負わせて……」
狼「仕方ないよ、こういう運命だもの」
せめてもの償いとして、自分たちは阿部亮平の顔にタオルを掛け、合掌をして立ち去った。
【犠牲者】阿部亮平
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美月(プロフ) - King ＆PrinceLove さん» お久しぶりです！ 現在中盤までは下書きが済んでおりますが、更新に追われるのが苦手なので、完成してから一気に投稿しようと考えております。大変長らくお待たせ致しまして、誠に申し訳ございません……。(;＞_＜;) (2020年4月14日 7時) (
レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
King ＆PrinceLove - こんにちは(*^^*)こちらも今拝見させてもらいました！久しぶりです！リクエストした小説はどうでしょうか？楽しみに待ってます！ (2020年4月14日 6時) (レス) id: d2f9beff32 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 美華さん» ありがとうございます！(*｀･ω･)ゞ (2020年3月18日 12時) (レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
美華 - 全然大丈夫です！待ってます！ (2020年3月18日 9時) (レス) id: b1cf21f183 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 美華さん» かしこまりました！ ご丁寧な説明をして頂いてありがとうございます。ただ、今は別作品のリクエスト等も頂いていますので、少しお時間がかかるかもしれません……。ご了承くださいね。 (2020年3月17日 18時) (レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年3月4日 19時
