＊ ページ26
渡辺side
また、だ。
このゲームは"あいつ"の思い通りに動いてる。
出来るもんなら信じたくないけど、ここまで来たら怪しむ他ないよな。
……ほら、"あいつ"はほくそ笑んでやがる。
何でみんな気付かねぇんだよ。
有「やだっ！ 俺殺されたくない！！」
１人狂乱した有岡くんを残して、みんなは椅子に座ったまま動かなかった。
いや、動けなかった。
また下手に動けば、裕翔みたいに殺されるかもしれない。
そんな恐怖が知らぬ間に植え付けられていて。
俺も例外じゃなかった。
有「ねぇ圭人、助けてよ」
すぐ傍にいた圭人にすがっても、圭人は微動だにしない。
有「……佐久間くん？」
それは佐久間も同じで。
有「目黒くん」
目黒は何も出来ないのが相当悔しいようで、下を向いたまま唇を噛み締めていた。
有「渡辺くん…………」
当然、俺も何もしてやれない。
有「宮舘くん、っ」
最終的には、さっきまで張り合ってたはずの涼太にまで助けを求めていた。
涼太が助ける訳ねぇじゃん。
２人の様子を傍観していると、いきなり涼太が立ち上がった。
舘「……有岡くん」
有「！ 助けてくれるの？」
は？
嘘だろ、涼太。
ここで有岡くんを救ったら、お前が殺されるって分かってんのかよ。
遂におかしくなっちゃったのか？
渡「りょ──」
俺も加勢しようと腰を上げた瞬間、佐久間に手で制された。
佐「翔太。行っちゃだめ」
渡「何でだよ！？ このままじゃ涼太が──」
佐「もう我慢できない！」
痺れを切らした佐久間が椅子から離れた。
その目はすっかり涙で潤んでいて。
佐「いつも「涼太」「涼太」って…………今目の前で有岡くんが命の危機に晒されてるんだよ！？ そんなことにも気付かないのかよ！」
首根っこを掴まれて、やっと気が付いた。
おかしくなったのは、涼太じゃなくて俺だったんだ。
そんなことにも気付けないって、情けねぇな。
溢れそうになる涙を堪えて、佐久間と有岡くんに向き合う。
渡「……ごめん」
頭を低くして謝ったら、有岡くんは優しく笑いかけてくれた。
その直後、
有「大丈夫。仕方ないことだよ」
と有岡くんの中で踏ん切りを付けたみたいで、高木くんの待つ部屋へと入ってしまった。
瞬時に溢れ出す鮮血を目に、俺は"あること"を誓った。
人狼と接触してやる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼香 - 最終章はどこでみれますか？ (2021年1月22日 21時) (
レス) id: 84fc06f980 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - King ＆PrinceLove さん» 温かいお声掛け、ありがとうございます！ 随分お待たせしてしまって申し訳ないです……。 (2020年3月23日 14時) (レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
King ＆PrinceLove - ありがとうございます(*^^*) (2020年3月23日 14時) (レス) id: d2f9beff32 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - King ＆PrinceLove さん» お久しぶりです！ お褒めの言葉、ありがとうございます♪ 以前リクエスト頂いたしょっぴーの病系のお話は現在執筆中ですので、もう暫くお待ちください(´u`) (2020年3月17日 6時) (レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
King ＆PrinceLove - 美月さん！こんばんは(*^^*)やっぱり人狼ゲームって面白いですよね！いつもアップありがとうございます!! (2020年3月16日 22時) (レス) id: d2f9beff32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美月 | 作成日時：2020年3月4日 19時
