#15 ページ16
佐「やっぱり、ここにいた」
私が腰を下ろした途端、目の前にさっくんが現れた。
「よく分かったね」
佐「だって、俺らはここで出会ったからね」
そう。
今から２年前のこと。
あの日も私はお父さんと喧嘩をしたんだっけ。
確か、学年で４位を取ったのに認めてもらえなかったような。
それで不満をあらわにしたら暴力を加えられて、反射的にこの公園へ逃げ出してきた。
とにかくお父さんから逃げられれば、それで十分だった。
なのに。
佐「あれ、どうしたの？」
酷くボロボロな私に声をかけてくれたのが、さっくんだった。
さっくんは高校では有名な存在だから、ある程度の噂は耳にしていたけど。
まさか本当にアニメのTシャツを着て街を歩く人がいるとは思わなくて。
失礼だとは感じつつも私は笑ってしまった。
佐「え、なになに！？」
それに気付くようすもなく慌てふためくさっくんの様子が余計に面白くて。
いつしか殴られた痣の痛みも忘れ去っていた。
佐「あ！ 君さ、AAちゃんでしょ」
「……え？」
初めて話したはずのさっくんから私の名前が飛び出て、衝撃を受けた。
私、そんなに有名じゃないのに。
どうして……？
私が余程不思議そうな顔をしていたのか、さっくんもきょとんとした表情を浮かべた。
佐「だってAちゃん可愛いからさ。俺、ずっと見てたんだ」
これって軽くストーカーだよね、なんて笑うさっくん。
今、私のこと可愛いって言った？
嘘だ、絶対に嘘。
もしかして新手の詐欺だったりして。
そうだ、信じないよ。
佐「何考えてんのー？ 表情がころころ変わるね」
いつの間にか目と鼻の先にあったさっくんの端麗な顔からのけ反る。
……一瞬だけど、良い匂いがしたな。
香水？
佐「Aちゃん、可愛いなぁ」
また花が咲いたような笑顔を見せるさっくんに、今まで感じたことがないような気持ちを持ってる自分がいて。
あっという間にさっくんに心を奪われていたの。
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美月(プロフ) - ももの みかんさん» 初めまして。コメントありがとうございます！ ももの みかん様ですか……確かに笑ってしまいますねw (2020年3月31日 17時) (
レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
ももの みかん(プロフ) - すごく面白かったです。ただ自分の名前がももの みかん なのでももの みかんって呼ばれる度に笑ってました。(自分のせい笑) (2020年3月31日 17時) (レス) id: 2f044358e6 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 松田はるなさん» あ、ありがとうございます！ とうとう書いてしまいましたw。 (2020年2月29日 21時) (レス) id: 5099d9caf8 (このIDを非表示/違反報告)
松田はるな(プロフ) - 新作楽しみにしてました、！更新頑張ってください、！ (2020年2月29日 21時) (レス) id: b4a7f1f041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年2月28日 21時
