第163話 ページ14
片岡サイド
店の奥にある扉の前には、大柄な見張りが立っていた。
その近くには、7階へ続くであろう階段が見える。
あの扉の向こうに皆がいるから、なんとかして鍵を開け、皆を中に入れたい。
…しかし、扉を開けるのも 階段を登るのも、あの見張りが邪魔になる。
ひ「なんとかあの見張り…、おびき出して、そのスキに通れないかな」
速「強行突破は避けたいよね。
ホテルの従業員だから、倒したらすぐバレちゃう」
渚サイド
茅「渚！」
ユウジくんの向こうから、茅野が僕を呼んだ。
僕はユウジくんに手を振って上手く立ち去った…
はず、だったんだけど。
ユ「おう。待てって、彼女等」
ユウジくんは何故か僕のことを追いかけて来ていた。
ユ「大サービスだ。
俺の十八番のダンスを見せてやるよ」
ユウジくんはそう言ってダンスを踊り始めた。
僕等が迷惑に思っていたとき、ダンスに夢中になっていたユウジくんの手が、柄の悪い男の持っているグラスにぶつかり、入っていた飲み物が盛大に溢れ、男が着ていた上着の袖がびしょ濡れになった。
男「こらガキ、いい度胸だ。ちっと来い」
男はユウジくんのTシャツの襟をグイと持ち上げる。
ユ「あ、いや、今のはわざとじゃ…」
男「百万する上着だぞ、弁償しろや！！」
すると矢田さんが、何か思い付いたように岡野さんに耳打ちした。
岡野さんはコクリと頷く。
言い合いしてる二人の間に割って入るように、岡野さんは男の方の顔面に蹴りを入れた。
倒れこむ男を、片岡さんが上手く支える。
矢田さんは、店の奥にいた従業員さんに声をかけた。
矢「すいませーん。
あの人、急に倒れたみたいで…。
運び出して看てあげてよ」
従「は、はい」
従業員は男を肩に担いでその場を立ち去る。
片「…今のうち！」
矢「さ、キミもフロア戻って！今の事、ナイショね！」
女子達は颯爽と扉を開けに行った。
渚「女子の方があっさりカッコいい事しちゃっても、それでもメゲずにカッコつけなきゃいけないから、
つらいよね、男子は。
今度会ったらまたカッコつけてよ。
できれば、麻薬とダンス以外がいいな」
壁にもたれて座り込んでいたユウジくんに僕はそれだけ言い残し、階段を登っていく皆の中に加わった。
雅サイド
…家に帰りたくない。
こんなにも強くそう思ったのは、多分、人生で今日が初めて。
…私は無意識のうちに回れ右をし、来た道を戻っていた＿＿＿。
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卵符鈴 - 緑川詩織さん» コメントありがとうございます！浅野くんの書きにくい人柄にいつも悩まされているので、そう言っていただけると嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年11月20日 0時) (
レス) id: 73c1b71496 (このIDを非表示/違反報告)
緑川詩織 - 浅野くんがイケメン過ぎてツラい！更新頑張ってください！o(･ω･´o)(o｀･ω･)o (2017年11月19日 22時) (レス) id: d308f73366 (このIDを非表示/違反報告)
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