羊の船 ページ20
麦わらの船は岬だろう。
そう思って私は岬に行くと
「羊さん....」
「誰だアンタ」
「ガレーラの職人よ。麦わらは？」
「....俺はもう一味をやめた」
長鼻の彼はそう言う
「それは....フランキーにお金を奪われたから？それともこの船に思い入れがあるから？」
「....俺が弱ぇから金を奪われたし、この船は俺の故郷の友達からもらった船だからだ。船長はここで別れるって言ったから俺はコイツと残った」
「でもこの船、竜骨....つまり背骨が折れてるのよ？肋骨も例外じゃない。もうボロボロなのよ」
あちこちが継ぎ接ぎだらけ。頑張った船....
「......それは本当なのか？」
「嘘ついてどうするの」
「そうだよな....やっぱりそんな気がしてたんだ」
「どうして？」
「俺は....ある夜誰もいねェハズの船から木槌を叩く音を聞いたんだ....霧は深かったけどそこにはたしかに誰かいた誰かも分からねぇまま次の日の朝船はヘタクソに修繕されてた」
「クラバウターマンね。この子は大切に乗られてたのね」
「クラバウターマン？」
「船の化身みたいなものよ。木槌を持った船乗りみたいな姿の。なら、尚更この子とはお別れをすべきなの」
「え？」
「船って岸から岸に渡すことを約束した航海をしてるの。それが出来なかったら悲しいのはこの子よ。」
「....コイツの為」
「そうよ。時間が必要ならゆっくり考えればいい。なんなら竜骨見るために潜ってみたらいい。この子の現状を知って歩むべきよ」
「....なぁメリー......もう歩けねぇのか」
私は長鼻の彼を置いて街に戻った
私は....こんなに幸せな船を見たのは初めてだ
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モカ - 凄く面白かったです‼更新も頑張ってください‼‼ (2022年8月17日 23時) (
レス) @page39 id: 68e38e087b (このIDを非表示/違反報告)
えり - 次も楽しみにしてます！！ (2019年5月22日 7時) (レス) id: c2cae8b36e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零華 | 作成日時：2018年8月14日 10時
