検索窓
今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:174,860 hit

5 ページ5

.
.


「はーい」


ドアを開けると宅配便のお兄さんがいた。

「お届け物です、
こちらのお名前でお間違いないでしょうか?」


伝票を見ると、
どうやら実家から何か届いたらしい。

「はい」

ペンを受け取ってサインをしていると、
なんだかやけに視線を感じた。


「…あ、どうぞ」

私がペンを渡すとお兄さんは慌てて受け取る。


(…ん?おでこ?)



「ありがとうございましたー!」


ドアが閉まった後おでこに手をやると
冷えピタが貼ってあった。


「…ベクか」

ということは寝顔を見られたわけで、
またいつもみたいにからかわれるってことか。




ダンボールを開けるより先に
とりあえず顔を洗いたくなって、
冷たい廊下を歩…


(あれ、私こんな靴下履いてたっけ?)




そして洗面所に立った私は唖然とした。


鏡に映るむくんだアホ面。
そして若干斜めになった冷えピタ。


その冷えピタには文字が…


“お!れ!の!”



「……はあ?」


私は決して自惚れ屋ではないけれども。
ちゃんと分かっているつもりだけども。


…もしかしてこれは本当に、
あいつ私のこと好きなんじゃない?













大学の廊下。
少し先にはベクの背中。

いつもと同じ風景。



「いたずらっ子のベクちゃん」


わざと明るい声で言うと、
振り向いたベクはニヤッと笑った。


「熱下がったんだ?」

いつも通りの口調。


「おかげさまで」

「お前の寝顔相変わらずブサイクだったわー」

「見物料500円」

本当になんてことない、
いつも通りの馬鹿みたいなやりとり。


「…あのさあ」

「なんだよ」

「私あんたのものになった覚えないんだけど」


なかったことにされるのは悔しい。

ほんのちょっとくらい
動揺してみせたっていいんじゃない?



だけど、

「じゃあなれば」


上から降ってきた視線と
曰くありげに弧を描く唇に、

私は少したじろいでしまった。


「…なるって、何に」

「さあ?」

「……(こいつ)」


なんて狡猾。

どこまで泳がすつもりなんだこいつは。




返す言葉がなくてにらめっこしていると、


「お、Aじゃん!」

ミンソク先輩が通りがかった。


「あ、こんにちは」

「今日はまだ授業ある?」

「いえ、もう終わりです」

「じゃあ飯行かない?」

「…あー、」


体がまだ本調子じゃないし気分も乗らない。

だけどベクに仕返ししてやりたい気持ちになった。


「行きます!」


.
.

fin→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1036人がお気に入り
設定タグ:EXO , エクソ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆう(プロフ) - とってもキュンキュンしました!どの作品も大好きです!(;_;)マイペースにまたお話の更新待ってます^_^ (2018年1月15日 23時) (レス) id: 08fbd2dc26 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - 可愛らしい、べくとのお話とジョンイニズムスピンオフ。こんなにも違うものが両方面白いって。凄い。 (2017年1月16日 14時) (レス) id: c8ddff6bd6 (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - ジョンイニズムとても衝撃的な作品で今でもふと考える事があります。スピンオフありがとうございました! (2017年1月15日 15時) (レス) id: 61651178cb (このIDを非表示/違反報告)
kou(プロフ) - ジョンイニズム一気読みしてしまいました、、なんか色々と衝撃すぎて語彙力のない私には上手く感想が伝えきれないんですがすごくおもしろかったです、、 (2017年1月15日 2時) (レス) id: bd7f07117d (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - ジョンイニズムのスピンオフ(TT)嬉しすぎます、ほんとに、、!!ほんとにありがとうございます(TT)国家試験頑張れます(TT)何度も言ってますが 笑 ぺっぱーさんの書くジョンインが1番好きです(TT)ありがとうございます(TT) (2017年1月15日 0時) (レス) id: cc979909b7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぺっぱー | 作成日時:2017年1月7日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。