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居場所 ページ11

皆さんに怪我とかがないことを再度確認してから、許可を貰ってちょいと渡くん達と話す。


ちゃんと勇くんとも話すよ! 試合前やって二人に言うたしね、あの言葉。



『お疲れ様。渡くん、ずっと及川さんらのフォローしとったけど大丈夫?』

渡「大丈夫、想定はしてたから。……思ったよりも、酷かったけど」

『あー……』

金「岩泉さんと及川さん、全然息合ってませんでしたし……最近は、結構ああいうのが多いんです」



夢園さんに構い過ぎて練習がおろそかなったんか、何や精神的なもんか。


精神状態は体に結構出るしなぁなんてぼんやり思うとったら、奥で水分とっとった国見くんと目が合うた。


ひらひらと手を振るも、彼は何や苦しそうな顔をして、ぱっと走り去ってしまう。



『……なぁ、私国見くんに嫌われるようなこと、したやろか』

「えっ、してないと思いますけど……」



そう言って眉尻を下げる勇くんは、非常に可愛い。めっちゃ可愛い。ホンマに可愛い。


国見くんとかもう何とかなるやろ。適当やけど。


また合宿で、と短く別れを告げて皆さんのところに戻ると同時、きゃあっと黄色い声が聞こえた。


及川さんかと思えば、次に呼ばれたのは、私の名前で。


驚いて振り返ると、上のギャラリーには見知った顔がたくさんあった。



『お姉さん方!!!』

白「は? お姉さん?」

川「あんなに姉ちゃんいんの?」

天「あー、あの人達はネ、ウン。巴チャンのファンみたいな人達ダヨ」

『監督さん!』

鍛「構わねぇから、あいつらに絡まれる前には帰ってこい」



あいつら、と言ったところで及川さん達を示す。


瞬間向けられた何対もの目に、私は笑って返した。





『あい勿論。すぐに、ここに(・・・)



私の居場所は、ここなんやから。


階段を上るのも面倒で、壁際まで走ってそのまま、まぁ二階の床まで五メートル、柵入れても十メートルはいかんやろうという高さを跳んで、ギャラリーに上がる。


何か後ろが静まり返ったのに気付いたけど、お姉さん方に抱きしめられてそれどころやない。


お姉さん達が言うには、彼女達は皆既に及川さんらには失望してて、ここにも私に会うために来てくれはったらしい。


及川さんファンやった人が多い彼女達が失望する程、今の彼らは酷い状況なんやろうな。


次いつ会えるか分からんからと順番に抱きしめられながら、胸に残る一抹の不安に、そっと目を閉じた。

恐れる→←失う前に



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ta0628tm0105(プロフ) - 続き待ってます! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べれと | 作成日時:2018年10月28日 13時

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