100万円を君に【轟焦凍】 (ページ7)

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6万円ページ7

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今朝の目覚めは最悪なものだった。

100人の諭吉に追いかけ回され、最終的には崖から海へ落ちるという夢を見た。

普段だったら諭吉を喜んで受け入れるが、今は昨日の轟くんのせいで彼は私の中で恐怖を感じる存在となってしまった。

「いってきます」

はーい、というお母さんの返事をききながらドアを開けた。

「お、A。おは」

バタン！！！！

驚きのあまりドアを閉めたが、なんかいた。絶対いた。

もう一度ゆっくりと開けるとやはりそこには轟くんがいた。

「なんで閉めたんだ？」

「いやなんでいるの！？」

ちょっとふてくされた顔をしててすごく可愛いけどそれよりも怖い。

「Aー？？すごいドアの音したけど大丈夫ー？」

お母さんがパタパタとこっちへ走ってくる音がした。

「あだだだだ大丈夫！！！行ってきます！！」

勢いよくドアを閉め、轟くんの手首を掴んで家が見えなくなるまで走る。

「死ぬ…ぅ……」

「大丈夫か」

短距離とはいえ全速力で走ったから私の体力はほぼゼロで、膝に片手をついて呼吸を整えていた。

それに対し、全く呼吸が乱れていない轟くんはいつものようにイケメンだった。

「個性使ったらよかったんじゃねぇのか？」

「ぁ…忘れてた…」

「アホだな」

かなり痛いところをつかれ、轟くんを見たらこっちを見て微笑んいたから悪気が無いことは確かだった。許す。

「もう歩けるか？」

「うん…ごめん…」

「じゃあそろそろ手を離してもらっていいか？」

歩きにくいんだ、と付け足された言葉なんて右耳から入り左耳から抜けた。

「あああああごめんんんん！！！」

「顔赤いぞ」

「知ってる！！！！！！」

すると、轟くんはハッとしたような顔をしてから私の額に右手をあてた。

「え」

「熱出てるんだろ、無理すんな」

そう言いながら右手で私の額を冷やし始める。

おいおいおい天然にも程があるだろ…

顔にさらに熱が集まる。

また熱くなったな、と言いながら冷やす温度を下げる轟くん。

さっき私が掴んでいたのは左手だったが、言われてすぐに手を離したのがまだ救いだった。

イケメンの両手触ってるとか流石に申し訳なさすぎるし私が死ぬ。