F18|君の心はお見通しなのに ページ49
目を覚ますと同時に強い倦怠感に襲われた。
季節の変わり目の時期は、どうしても体調を崩してしまう。
ぎゅっと身体に巻き付いている彼の腕を抜け出して、寝室を後にした。
体温計に表示された数字は37.5℃
解熱剤を飲もうとキッチンへと向かう。
「...A?」
少し掠れた声にハッと振り向くと、まだ眠そうな様子の彼がリビングに入って来た。
「福也さんおはよう!」
「もうご飯食べる?準備するね。」
今日は久しぶりのデートの日
この程度の熱なら慣れているし、1日ぐらい乗り切れるだろう。
「A、ちょとこっち見て。」
いつの間にか近くまで来ていた彼は、少し屈んで私の顔を覗き込んだ。
「やっぱり熱ある?なんか怠そう。」
「微熱だから大丈夫だよ!」
「いつもの事だから慣れてるし。」
笑顔で誤魔化そうとするが、彼の顔は曇ったままで。
「そういう油断から悪化したりするの。」
「今日は大人しく寝ていよう?」
スルッと抱き上げられ、寝室へと運ばれる。
熱に浮かされているからか、いつもよりも甘えたい気持ちが私に押し寄せてくる。
気づけば、丁寧に布団をかけてくれている彼の手を咄嗟に掴んでいた。
「福也さん、すぐ行っちゃう?」
「Aが眠るまで傍に居るよ。」
彼は嫌な顔ひとつせず、優しげな声色で私の手を包み込んでくれた。
「福也さんのおかゆ食べたいなあ」
「いいよ、起きるまでに作っておくね。」
「今日のデート楽しみにしてたのに」
「また今度行けるよ。」
「福也さん、ちゅーは?」
「熱下がったら、沢山してあげる。」
大きな手で頭を撫でられる感覚に心地よさを覚え、私は直ぐに眠りに落ちた。
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。の(プロフ) - 一琉さん» こちらこそありがとうございました〜!! (2月24日 5時) (レス) id: d00c6ffc61 (このIDを非表示/違反報告)
一琉(プロフ) - 最高ですありがとうございます( ; ; )♡ (2月23日 23時) (レス) @page43 id: db6f4734de (このIDを非表示/違反報告)
。の(プロフ) - 一琉さん» B33くん了解しました!お待ちいただけると幸いです( т т ) (2月18日 0時) (レス) id: d00c6ffc61 (このIDを非表示/違反報告)
。の(プロフ) - がぎさん» B43くん、上手く書けているか不安だったので良かったです!ありがとうございます^.ˬ.^ (2月18日 0時) (レス) id: d00c6ffc61 (このIDを非表示/違反報告)
一琉(プロフ) - もしよろしければ杉澤龍くんのお話読みたいです!♡ (2月18日 0時) (レス) @page41 id: db6f4734de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。の | 作成日時:2023年12月9日 17時