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待ち合わせ場所に到着して、テヒョンは車を道の端に止めて前方のジミン達に軽く手を上げた。
シートベルトを外してドアレバーを引く私をテヒョンが肩を掴んで制止する。
「降りなくて良いよ」
「私、後ろに行く」
「なんで」
テヒョンの手を振り払って外に出た。こんな気持ちで隣に座れない。
「ヌナー、バイト早く終わってラッキーだったね」
「ジョングクもジミンも予定早めちゃってごめんね」
「僕たち0次会しようと思って丁度合流した所だったから平気」
「ヒョン、後ろに荷物に乗せますよ」
ジョングクがトランクを開けてせっせと荷物を積むとジミンはドアを開けて後ろに乗り込む。
「あ、ちょっとジミニヒョン！俺もヌナと後ろが良いのに」
「お前は1番年下なんだから助手席って決まってんの」
唇を尖らせてトランクを閉めた後、ジョングクは私に"ヌナも乗って"と笑い掛けて助手席へと乗り込んだ。
私もジミンの隣に乗車して、ドアを閉めてシートベルトを閉め直した。
「あ、テヒョンイヒョン、疲れたら俺運転変わりますから」
「おー、うん。サンキュ」
「曲たくさん入れてきたから流して良いですか？」
慣れた手付きでBluetoothを接続したジョングクが車内に音楽を流し、音量を上げる。
「わーなんか始まったって感じだ」
はしゃぐ弟を兄達はにこにこして見守ってる。
「お、この曲俺も好き」
「だと思った！テヒョンイヒョン聴いてるだろうなと思ってた」
「音もっと上げて」
車は高速道路をひたはしり、前2人が熱唱しながら騒いでるとジミンが私の二の腕をちょん、と触ってこそこそと耳打ちしてくる。
「ねえ、なんかあったでしょ」
そう言われてドキッとする。
一度バックミラーを見てテヒョンの意識がこちらに向いていないか確認した後、私も小声でジミンに耳打ちする。
「あのさ、3人の中でさ」
「うん」
「1番クズだと思うの誰？」
私がそう言い終えるとジミンはあははと大きな声で笑って、シートにもたれてお腹を抱える。
「ジミニヒョン？どうしたの？」
あまりに大きな笑い声にジョングクが後ろを振り返ってきた。
「あーごめん、何でもないよ」
「そう？よく聞こえなかった！名前呼ばれたのかと思った」
「違う違う、呼んでない」
再び前を向き直したジョングクはテヒョンに何やら楽しそうに話し掛けて居て、テヒョンもこちらを気にする様子はない。
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作者名：芍薬
| 作成日時：2022年3月31日 12時
