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「俺と飲みに行った時もそうだったけど、ヌナって自分の限界分かってないよね」
「楽しいから飲んじゃう」
「…心配過ぎ」
「ねえジョングク、星がすごいよ」
田舎の山の中、高い建物も街灯もないこの場所の空は星で埋め尽くされていた。
「もう今俺…星どころじゃない」
「なんで、綺麗なのに」
「ヌナが可愛すぎて、ヌナしか目に入らない」
「んふふ、変なの」
「あーもう…俺の居ない所でお酒飲まないでね」
「ちょっとー、アルコールは私の楽しみなんだから勝手に決めないで」
「じゃあずっと俺たち一緒に居ればいいじゃないですか」
真面目な顔しておかしな事言うから、なんだか笑える。
伸ばした足をぷらぷらさせながら星空を眺めていると、またジョングクはあーとかうーとか隣で言って頭を抱える。
「ヌナ」
突然呼ばれて、空からジョングクに視線を移すと潤んだ瞳でじっと見つめられ、
「全部ヌナのせいだよ」
そう言って顔を近付けてきた。
ちゅ、と短いリップ音がして頬に当たった生温かい感覚が遅れて脳に伝わると私はやっと状況を理解してジョングクの胸を押し返す。
「…ちょっと、」
「ヌナが良しって言うまで我慢しようと思ってたけど無理です、次は口に…」
胸元に置いたままになってた私の手を掴んでもう一度近付いてくる。
「ね、ちょ…待って、待ってって」
「駄目、待たない」
押さえられた手では抵抗出来ず、のけぞるように体を反らせて顔を背ける。ふーふーと息が荒いジョングクを宥める方法を必死に考える。
「ジョングク、」
顔を背けた首筋に唇が触れ、つつつと徐々に上へと上がってくる。
「分かった、分かったから！あとにしよ」
私がそう言うとピタッと動きが止まって、ジョングクは上目遣いでこちらを見てきた。
「あとって？」
「今はほら…ね、人が居るし」
目線だけで家の方向を指して、なんとか説得を試みる。勿論あとでなんてその場凌ぎの言い訳なんだけど。
「今日一緒に寝ても良いですか」
「え…うーん、それは」
「じゃあ今続ける」
「…分かったよ、分かったからもう戻ろう」
ジョングクはにこにこ嬉しそうに笑って、私の手を解放する。
「ヌナ、だいすき」
安堵したばかりの脳を直接攻撃するかのようにジョングクはそう言って微笑んで星空を眺めた。
.
(このお話の続きは移行先でご覧ください)
続く
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作者名：芍薬
| 作成日時：2022年3月31日 12時
