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「ヌナはジニヒョンみたいな人がタイプなの？そうなの？」
「先輩の事そういう風に見た事ないって」
「僕も聞いてみたい、どんな男がタイプなの？」
3人とも手に持ってた缶をテーブルに置いて、両手を合わせて胸の前で祈るようなポーズを取るから思わず吹き出してやめてよと言った。
しばらくそうして下らない話をして、気が付くと買ってきた缶は全部空いてしまった。
全員もれなく酔ってはいるけど、誰も離脱はしない。私もワインをグラスに並々と注ぐ。
ソファから床へと座る位置を変えて、お皿に盛られたチーズに手を伸ばす。
「飲み過ぎじゃない？」
テヒョンがトイレから戻ってきて、私のそばに腰を下ろす。
「全然平気ー、これすごい美味しい」
「平気って言ってる割にはこぼしてるけど」
口の端から顎の辺りに垂れたワインの雫をテヒョンが親指で拭う。
「ふふ、ありがと」
「お前やっぱもうやめ…」
言葉を遮るようにワイングラスを傾ける。
もう一方のソファに座るジミンとジョングクが、2人で何やら大爆笑しながら盛り上がってる。
「何ー、なんの話？」
「女の子に言われてキュンとするセリフが何かって話」
「ジミンはなんて言って欲しいの？」
「え、言ってくれる？」
「いいよ」
「え、本当に良いの？」
「ヌナ、本当に？」
ジミンとジョングクが興奮しながら何度も確認してくる。
私の肩を押して"おい"とテヒョンが眉を顰めて言うけど、それを無視していいよと返答する。
ジミンが自分のスマホに何かを打った後それを私に手渡してきた。
「何これ？どういうシチュエーションなの」
「僕がレッスン室の掃除をサボってた時に言われた言葉。ちょっと切なく言って」
メモ帳に打ち込まれたそれを感情込めて声に出す。
『…口だけじゃなくって手も動かして？』
言い終えると隣で床に倒れ込むテヒョン、ソファに座ってる2人ものけぞって笑って意味がよく分からないけどみんなが笑ってるのを見て、私も楽しくなる。
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作者名：芍薬
| 作成日時：2022年3月31日 12時
