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「じゃ、とりあえず4人揃って初めての旅行にかんぱーい」
ジミンが威勢よく音頭を取って、手に持った缶を寄せて乾杯した。
お風呂上がりで喉が乾いていた事もあってビールが体に染み渡って行く感覚が最高に幸せな気分になる。
「そう言えばテヒョンイヒョンもヌナも、展示お疲れ様でした」
「僕も見に行ったよ、テヒョンアのでかい奴のインパクトすごかった」
「ヌナのも今までの感じと全然違って驚いたけど俺めちゃくちゃ写真撮っちゃった」
「テヒョンいつの間にあんなの作ってたの？」
出店の準備は勿論だけど、授業や課題でテヒョンが展示の制作をしている余裕なんてどこにあったんだ。
「結構長い事作ってたよ、あれは。3ヶ月…半年くらいかな」
「全然知らなかった」
「だよね。大学に運んだのは学祭の直前だったしね」
「…え？どこで作業してたの？」
「あー、まあ。ちょっとね」
明らかに濁された気がするけど、ジョングクは能天気にヒョンかっこいいなーと言って騒いでる。
ジミンがお酒を冷蔵庫に取りに行き、私も席を立つ。ジョングクが俺もと声を上げてお酒が強い私を含めた3人は割とハイスピードで飲み進めていく。
テヒョンはまだ酎ハイを少し飲んだだけで、もうその瞳をとろんとさせてだんだんと饒舌になって来ている。
「ヌナって飲んでも変わらない？」
「うーん、記憶飛ばす程飲む事は最近ないけど楽しくはなっちゃうね」
「どんな感じになるの？」
興味深々にジミンも話題に参戦してくる。
「ジン先輩にはお前は酔うと距離が近いとか、なんでも喋るとか。そういう事はよく言われる」
「ちょっと待って、ヌナ。俺が居ない時もうお酒飲まないで」
「ジョングガ、ジニヒョンに敵対心剥き出しなの本当うける」
「…一番の要注意人物ですよ、あの人は」
深刻な顔してジン先輩の事をそんな風に言うのを見て、あははと笑う自分にちょっと戸惑う。あれ…私もう酔い始めてる？
「でもお前は確かにジンヒョンにガードが緩い」
テヒョンが3号を援護する。
「ジン先輩は本当に良い人なんだもん」
「あーやだ、ヌナからあの人の名前聞きたくないよ俺」
両手で耳を押さえたり離したりしながらジョングクは、あーあーと言う。
「まあまあ、ジニヒョンには彼女居るわけだし」
ジミンはそう言うけど実際今ジン先輩はとても危機的状況だと心の中で思う。
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作者名：芍薬
| 作成日時：2022年3月31日 12時
