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「だいじょーぶー？」
風を切る音、ジョングクの奇声、ジミンの悲鳴でよく聞こえないけどテヒョンは恐らく私にそう言った。
次第に慣れて来て、うんと答えるとテヒョンは口を四角くして笑って握ったままの手を天高く上げる。
車体は急カーブして猛スピードで駆け抜ける。髪の毛結んできて良かった…
スピードががくんと落ちて緩やかにスタート地点に戻ると、手は解かれる。安全バーを上げて立ち上がり乗り物を跨いで降りると膝が笑って、かくんとよろけた。
「おお、ヌナ。平気？」
「うん、なんか膝が笑っちゃって」
「僕は意外と大丈夫だった」
「ヒョンめっちゃくちゃ叫んでたけどね」
「次あれ乗りましょう！」
ジョングクのテンションは上がりまくりで、次から次へとアトラクションに連れ回されて私とジミンは少々お疲れモード。
「僕一回パス、飲み物買ってくる」
「あ、私も」
「じゃあテヒョンイヒョン俺と海賊船乗ろ」
二手に分かれて、ジミンと売店へ向かう。
「何飲む？僕買ってくるからここ座ってて」
ベンチを指差すジミンにコーラをお願いして、腰を下ろす。アドレナリンが出てたのか気付いてなかったけど座ったらどっと疲れが出てきた。
しばらくぼうっと園内を眺めていると、ジミンが両手に飲み物を持って戻ってきた。
「ん、お待たせ」
「ありがとう、あ…お金」
「いいよ。飲み物くらい」
ジミンの優しさに甘えることにして、ストローをちゅーっと吸い喉にしゅわしゅわしたコーラが沁みる。
「ジョングク元気だよね」
「本当、僕もうクタクタなんだけど」
「3人朝まで飲んでたしね、よくみんな普通にしてられるよ」
「ヌナー、ジミニヒョーン」
海賊船に乗りに行った2人が肩を組んで戻ってきた。
「何その頭に付けてる変なの」
「そこのお店で売ってた、カエルのカチューシャ」
可愛いでしょとジョングクは言うけど、なんていうか別に可愛くはない。2人してお揃いで買って、本当楽しんでるよね遊園地を。
「お腹空いた、ヌナ達何が食べました？」
「ううん、もう3時だもんね。なんか食べよっか？」
ベンチから腰を上げて、売店を指差し言うとジョングクは私の手からカップを取り上げて勝手にそれを飲む。
「コーラだ」
「ちょっと、勝手に」
「何飲んでるのかなって思って」
「聞いてよ、飲む前に」
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作者名：芍薬
| 作成日時：2022年3月31日 12時
