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ジョングクに続いて後部座席に乗り込むと、すぐに車は動き出した。
「ここからだと20分くらいかな、どうする？ナビ入れる？」
助手席のジミンが確認すると、テヒョンは大丈夫でしょと返す。バックミラー越しに映るその人はサングラスを掛けて声色から察するにテンションが高いのも腹立たしい。
昨日は寝て居たから周りの風景を見るのはこれが初めてだった。
控えめに言って森の中に居るような、そんな土地に遊園地など本当にあるのだろうか。
「あ、あれっぽい」
ジミンが指差す先に確かに観覧車が見える。
「嘘…本当にあるんだ」
「わー、俺ワクワクしてきた」
3号が隣で上下に揺れる。
車を駐車場に止めると、遊園地の入り口まで駆けて行くテヒョンとジョングクを遠巻きに眺めながら"子供かよ"と言うジミンの口角も思いっきり上がってる。
かく言う私も高校生ぶりのアミューズメントパークに胸が高まっていた。
古い遊園地と聞いてたけど、意外と大きくてお客さんも結構入っている。
「あれ乗りましょ、面白そう」
中に入ると早速ジョングクがジェットコースターを指差す。
「僕も絶叫だめ派なんだけど、お前あれ乗れる？」
「多分…」
ジミンが不安そうに乗り物を見上げて、私に確認する。
「今全然並んでない！早く！」
小学生のようにはしゃぐジョングクの後について歩いた。
係員にすぐに案内されて、あれよあれよという間にジェットコースターに乗車した。
覚悟を決めるだけの時間もなく、不安でいっぱいの表情を浮かべるジミンの手を引いてジョングクとジミンは最前列。テヒョンと私はその後ろに。
発射の合図の音が鳴り、ガタンと大きく揺れて動き出した。
このくらいじゃ大丈夫と思っていたけど、アトラクション自体久しぶりだからか私もだんだんと怖くなって安全バーを掴んで顔を伏せる。
「大丈夫？」
横からテヒョンがそう言って、私の手を取り、握り締める。
「怖いんでしょ、握ってて良いから」
傾斜は徐々に緩やかになり、いよいよ降下。
テヒョンの手をぎゅっと握ると向こうもそれに応えるように握り返してきた。
内臓がひゅっと浮き上がるような感覚の後、ジェットコースターは急降下する。
何も声が出せない私を他所にテヒョンは楽しそうに笑い、ジミンのけたたましい悲鳴が聞こえる。ジョングクはずっとフーッて言ってる。うるさい。
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作者名：芍薬
| 作成日時：2022年3月31日 12時
