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家に帰ったって、部屋の中にはそこらじゅうにAの面影が、下手したら残り香だって残ってるかもしれないってのに。すぐには帰る気分になれないよ、そんな場所に。
たまたま目に入った名前も知らない小さい公園に吸い込まれるように入って、自販機の前で足を止める。
小銭を入れて水を買って、力なくベンチにへなへなと座り込む。
「はあ、」
漏らしたくもないため息が、次々に口から出ていく。
もう、忘れよう。Aのことは。
さようなら、初恋。
決めたぞ、俺は明日から あいつを部屋に入れないし、極力遠ざけよう。そうしよう。つらいのはきっと最初だけだ。だって、今まで生きてきてAのことを意識したのなんて、こんなに最近なんだから。それまでの生活に戻るだけだ。あいつは男友達、Aはゴリラだ。そうだ、ゴリラなんだ。
顔も見ない、声もかけない。
…じゃないと、俺。ヒョンとAを応援するなんて、出来っこないよ。
ええい、120円もする天然水でヤケ酒ならぬヤケ水だ！
ゴキュゴキュ喉を鳴らしながら一気に流し込む。
チクショウ！飲み干して全部忘れてやる！半分まで来たぞ、あと半分…行け、俺の五臓六腑に染みわたr
「グク？」
「ゴッ、ブ」
突然のAの登場に、口から盛大に天然水が噴き出る。
ああ、虹だ。子供なんて1人も遊んでいない小さな公園に、大きな虹が架かったよ。綺麗だ、イエップダーー
「…汚いな」
「ゴフッ、ゴフ…なん、何して」
「いや、通りかかったら見えたから」
ハッ
顔見ない、声かけないの誓いはどうした俺。もう忘れちゃってんじゃねえか、しっかりしろ。気を確かに。心を鬼に！
「グクはなんでこんな所にいるの」
「…」
黙って、ペットボトルの蓋をきゅっと閉めて、地面に靴底を何度も擦って聞こえないフリをする。…無理よ、無視なんて。これが精一杯の抵抗です。
「ねえ」
「…何」
「怒ってる？」
そう言って、俺の隣に腰掛けてくる。こっちはできるだけ距離をおこうとしてるのに、Aはそれをいとも簡単に突破しようとしてきやがる…
Aから少しでも離れようと、お尻を左にずらして距離を取る。
すると、Aは体を上下にぴょんぴょん跳ねさせながらせっかく空けた距離を詰めてくる。
俺の顔を覗き込んで、
「昨日のことなんだけど」と、言うからついに現実を突きつけられる時が来た、と身震いする。
やめて、言わないで。
せめて静かに終わらせて、俺の初恋…
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ちむこ(プロフ) - ジーザスクソワロタ。でした (2022年2月24日 4時) (
レス) @page21 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
ina(プロフ) - めっちゃ笑ってキュンキュンしてすごく良いお話でした…ありがとうございました♡ (2022年2月14日 19時) (レス) @page32 id: b43d350443 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow8938(プロフ) - いつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて下さい宜しくお願いします (2021年9月24日 19時) (レス) @page33 id: 33b6e6a7a5 (このIDを非表示/違反報告)
Q(プロフ) - 溢れんばかりのスタンディングオベーションをJKと芍薬氏に捧げます。もちろん私も泣いています。号泣です。(爆笑 (2021年9月5日 22時) (レス) id: f8bc6e95fb (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - ついにこの時がぁぁぁあ！！ジョングクおめでとう！スタンディングオベーション拍手喝采涙が止まらんよ！！！芍薬さん！お疲れ様でした！Twitterも楽しませてもらってます♪楽しい作品ありがとうございました！ (2021年9月5日 21時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芍薬
| 作成日時：2021年7月10日 0時
