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観客もまばらな真っ暗な映画館。
足が伸ばせるカップルシートに座って、Aは大きなスクリーンに映し出される恐怖映像に、時より小さく声を出し身を震わせながら息を飲んで見入っている。

後ろを振り返りながら逃げるヒロインが、行き止まりにぶつかり、恐怖に慄きながらゆっくりと振り返る

館内から悲鳴が上がると、Aも伸ばしていた膝を立てて小さくなり、俺の腕にしがみついて顔を伏せた。




ああああ、もう助けて。胸当たってる…
映画ところじゃないんですけど全然。


極度の緊張状態で体はガチガチになり、目を見開いて眼球だけで露わになったAの太ももを凝視した。


あ、あ、あ、まずい。A、だめだよ。
それ以上膝引っ込めないで、…見える。見えるって、スカート捲れ上がってるって。ちょ、本当にだめだっt



「ピンク」



やば、思わず声出た。
危ねえ…映画の馬鹿でかい音のおかげで聞こえてないみたい。

でもこのままじゃまずいよな、他の人にこの魅惑のピンクゾーン見られたら俺ぶち切れちゃうかもしれないしな。できることならまだ拝みたい気持ちもあるけど…


自分の腹の上に置いてた制服のジャケットを、Aのスカートの上にかぶせると、一瞬俺の方を見てありがとうと小さい声で言った。


うん、いいよ。また別の機会に会おうね。
我ながら今のは紳士だったし、ポイント高いよなー。多分こういうのがサラッとできる男ってのが真のおと……




え、待って




ふと自分の下半身に目をやると、股間に張られたテントと目が合い一瞬で全身が一気に青ざめる。
いやあ…こんな時にキャンプしないでえ、お願い。


急いで膝を抱えて、体を丸めた。
もぞもぞと動いてベストな体制を変えると、寒いのかなこいつみたいな目で、俺を見てくるA。


「…寒いの?」

「いや、その」

「はい」


俺がさっき渡したジャケットを、半分俺の方にかけなおすA。優しい、好き。
より一層距離を詰めたおかげで左半身はぴったりとくっついて、なおのこと映画には集中できなくなった。



でもいいよ、6,000円もしたけどいいよ。映画なんかよりももっと充実した108分です。神様、俺の日頃の行いちゃんと見ていてくれてありがとう。





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daicomg84(プロフ) - 芍薬さんが大好きです。 (2022年6月11日 23時) (レス) id: 289e7de8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむこ(プロフ) - あかん。おんもろすぎる(笑) (2022年2月24日 3時) (レス) @page48 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
ちむこ(プロフ) - やばい笑いすぎてお腹痛いです (2022年2月24日 2時) (レス) @page6 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
amo(プロフ) - ちやんと人の話を最後まで聞けー!!!!ジョングガー!!! (2021年7月9日 18時) (レス) id: 23a390d558 (このIDを非表示/違反報告)
Jina(プロフ) - じょんぐ、よく頑張ったよ!ご褒美にうまい棒あげる^^喉カラカラになってむせたことにして泣いちゃえTT (2021年7月9日 15時) (レス) id: 471479b0c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芍薬 | 作成日時:2021年6月28日 18時

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