Into you 【JK】

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部屋の灯りを落として、ヒョンが置いて行った呪われる映画を再生した。
俺なんて、呪われてしまえばいい。真っ白な顔のこのお化けに呪われてこの忌々しい口を二度と開けないくらいに衰弱して無気力になればいいんだ…


ああ、来るぞ。1番怖いとこ。
いるいるいるよ、後ろ後ろ。やばい、気付いて！後ろ、ほら、来るよ……ひいい



「グク」

「ば、はわっ」



驚いた拍子に思っきり壁に頭をぶつけて、思わず両手で後頭部を押さえてうずくまる。
パチ、と電気がついて顔を上げると扉の前でAが腕を組んで仁王立ちしている。


「なんでそう、いつも気配消して来るの」

「ノックしたよ」

「心臓止まって死んだらお前のせいだから」


右手で胸を押さえて、左で痛む後頭部を摩った。
呪いの映画を消すと、部屋の中は急に静寂に包まれる。


「…なんか用？」


ああ、もう、なんで！俺。なんでそんな言い方しかできない。むしろお前が用あるだろ、同意なく接吻を迫って誠に遺憾です以後このようなことがないようにしていきますって頭を下げろ！謝るなら今しかないだろ、馬鹿たれ！ヘタレ！


「さっき、言い過ぎた。ごめん、無理なんて言って」


先に謝られちゃってるじゃーん、なんて大人なのこの子。悪いの100俺だよね？それなのに俺と来たら全然謝らないし、態度悪いし、…ただのガキだ。



「…」

「冗談というか、いつものノリのつもりで言ったんだけど。良くなかったよね、怒った？」

「いや、…その」

「おばさんがグクの勉強見てくれたお礼にって、夕食に呼んでくれたんだけど。次からはちゃんと断るし、グクの部屋にも、勝手に入るのやめるよ」

「え」


あれ、なんかこれ。
すっごいマズい感じ？



「なんで？」

「なんでって、無理なんでしょ。わたしって」


……頭の上にハテナマークが何個も乗っかる。どういうこと？無理って言われたの俺じゃなかったっけ。脳の司令塔に次ぐ、大至急再放送頼む！



ほんと無理なんだけど、とAが俺に、そうそうそうこの目。この冷たい目で言ってきたんだよ。うん、で？俺は？


「は？Aに言われたくないわ」


…うん、言った。確かに言った。
でこれがなんでわたしって無理なんでしょ、になるのよ。え、つまりこういうこと？


Aに言われたくない＝人のこと言えないだろ？＝お前無理


うん、そうだね！名探偵！Aの思考回路こうなっちゃってるね。
非常に良くない、良くないね。





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