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4限目、体育。
そうだこんな時こそ体を思いっきり動かして、雑念を無くせと心の師範が言っている。
「へい！パスパス！」
大きな声でチームメイトに呼びかけて、俺を、俺を使ってくれとアピールする。
両手を高く上げ下げして、そいつの視界に入るようにピョンとジャンプしたところで、時空がまたもスローモーションになる。
体育館の入り口から大勢の女子がわらわらと入ってくるその集団の中から、体操着姿のAを見つけて全部の神経が眼球に一点集中した。
入り口近くに座り込み、髪を両手でまとめ上げて腕についたヘアゴムを口にくわえたところで視界にバスケットボールが割り込んできた。
ゴン、と鈍い音がして放心状態になる。
ボールを投げた奴も、一緒にプレイしてた奴も全員俺の所に心配そうな顔で駆け寄って来るのが死ぬほど恥ずかしくてただ笑うしかなかった。
鼻血を指摘されて、袖で顔を拭うと真っ赤な染みができた。
「…だっさ」
聞こえる。10mは離れているはずのAが俺を嘲笑い、蔑み、囁く声が。
選手交代して、俺は水道で血のついた顔を洗いながらAの強烈な一言を思い出してうめき声を上げる。恥ずかしい、悔しい、かっこ悪いぞジョングク。ちょっと前まで小馬鹿にしてた幼馴染にあんな風に言われて男としてそれで良いのか！
「ジョングク、大丈夫？」
後ろから声をかけられて、乱暴にわしわしと顔を擦る手を止めて顔を上げる。
いわゆる萌え袖からちょこっと手を出して、俺にタオルを差し出して来たこの子はクラスでも人気が高くて美人と評判の女の子だった。目が大きくて、上に向いたまつげもぷりっとした唇も確かに可愛い。
えっと、ごめん、ちょっと名前までは。
「あ、え、汚れちゃうよ」
「いいよ。…痛そう」
戸惑いながらタオルを受け取る俺に、一歩近づいて来て指先で唇の上を優しく拭う。
血ついてた、と言ってふんわりとした笑顔を向けて来る。
ぶわわ、っと体中の血が湧き上がる感覚。
そうそうこれだよ、色々あって忘れかけてたけど俺ってこういう奴だったじゃん。
鼻血が出ていようがこの端正な顔を見つめてうっとりしてくれる女の子はたくさん居るのに、なにAの一言で絶望してんだ。
しっかりしろ、ジョングク。
相手はゴリラだ、霊長類最強の生き物だぞ。お前はか弱いふわふわの兎みたいな女の子がタイプなはずだ、忘れるな。正気を取り戻せ、俺。
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daicomg84(プロフ) - 芍薬さんが大好きです。 (2022年6月11日 23時) (
レス) id: 289e7de8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむこ(プロフ) - あかん。おんもろすぎる（笑） (2022年2月24日 3時) (レス) @page48 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
ちむこ(プロフ) - やばい笑いすぎてお腹痛いです (2022年2月24日 2時) (レス) @page6 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
amo(プロフ) - ちやんと人の話を最後まで聞けー！！！！ジョングガー！！！ (2021年7月9日 18時) (レス) id: 23a390d558 (このIDを非表示/違反報告)
Jina(プロフ) - じょんぐ、よく頑張ったよ！ご褒美にうまい棒あげる^^喉カラカラになってむせたことにして泣いちゃえTT (2021年7月9日 15時) (レス) id: 471479b0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芍薬
| 作成日時：2021年6月28日 18時
