13 ページ13
「グク、8巻がないんだけどさ、どこにしまったの」
引き出しからTシャツを取り出して、袖を通す。
その辺に落ちてんじゃない、と愛想のない返事をしてバスタオルで髪をわしゃわしゃ拭う。
「…うわ」
Aの明らかに低い、軽蔑を音にしたような声がした。
嫌な予感がして、頭からタオルを引き剥がしてAの方を見ると、ベッドの下に隠してあった男の子のためのDVD教材を手にしてまじまじと眺めている。
「ちょ、」
急いでAの手から、DVDを回収すると眉を吊り上げてにやっと笑いながら俺を見て来る。
見るんじゃないそんな顔で。
「夜の体育館倉庫」
「やめて」
「淫らな爆乳体操服」
「お前、マジで…」
「爆乳が好きなんてまだまだ子供だよね」
「これヒョンから借りたやつだし、俺の趣味じゃないもん」
「…テヒョン先輩って、やっぱり大きい方が好きなのか」
自分の乳見るのやめてえ。
両手で乳持つのはもっとやめてえ。
明らかにヒョンの話したら汐らしくなっちゃってさ、何があったのか気になって眠れそうもないんですけど。
聞いても良いのかな、聞くにしてもソフトに聞くべきだよな。俺も良い大人だし、紳士でスマートな聞き方をするのがb
「ヒョンとヤったの?」
馬鹿、馬鹿野郎ジョングク。スマートの面影もない、クソみたいな直球ストライク球投げてどうする。
「は?」
「…いやだから、」
「誰が」
「誰って、Aがだよ」
「なんで」
「…してたじゃん、昇降口で。チュー」
Aが急に真顔になるから、怖くてそれ以上何も言えなくなっちゃう俺。
緊張感のある沈黙が続き、唇をぺろっと舌で触りながら次の言葉を必死に考える。
「隠れて見てるとか、本当無理なんだけど」
あう、それはチューを目撃しちゃった方の話でいいんだよね。
着替えを覗いたことについてじゃないよね?だよね?
「あんな所でイチャついてたら、見たくなくても見ちゃうでしょ」
「違う。あれは、」
「あれは?なんだよ言えよ」
「…先輩が勝手に」
またその顔。
俺の知らない顔するのやめてよ、恥ずかしくなって真っ赤に耳を染めるのも俯いてもごもご喋るのも今まで見たことないよ。
俺も俺だよ
やったな、ヒュー!って喜んでやればいいじゃん。
何、熱くなっちゃってんの。
「どうせ1回きりだから、記念にしてもらえばいい」
違う、黙れ俺。
こんな最低な事を言うためにもらった唇じゃないんだ。
ごめん、悲しい顔しないでよ
.
1980人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
daicomg84(プロフ) - 芍薬さんが大好きです。 (2022年6月11日 23時) (レス) id: 289e7de8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむこ(プロフ) - あかん。おんもろすぎる(笑) (2022年2月24日 3時) (レス) @page48 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
ちむこ(プロフ) - やばい笑いすぎてお腹痛いです (2022年2月24日 2時) (レス) @page6 id: fab33c3484 (このIDを非表示/違反報告)
amo(プロフ) - ちやんと人の話を最後まで聞けー!!!!ジョングガー!!! (2021年7月9日 18時) (レス) id: 23a390d558 (このIDを非表示/違反報告)
Jina(プロフ) - じょんぐ、よく頑張ったよ!ご褒美にうまい棒あげる^^喉カラカラになってむせたことにして泣いちゃえTT (2021年7月9日 15時) (レス) id: 471479b0c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芍薬 | 作成日時:2021年6月28日 18時