８２(sungwoon) ページ4
喉の渇きを感じて水を買いにレコーディング室を後にした。大体のレコーディングを終えて今は休憩時間だ。カメラも少し回っていたが、別のメンバーを撮っていたし大丈夫だろう。向こうの班は３０分前に収録が終わったと聞いた。こっちの班はあとしばらくかかりそうだ。
「A？」
自動販売機から戻る途中、前を歩く見知った後ろ姿を見つけて声をかけると、大きく肩が跳ねた。ゆっくり振り向いたのはやはりAで、なんでまだここにいるんだろうという疑問を抱えたまま、小走りで彼女に追い付く。
「ソンウンオッパ、なんでここにいるんですか？」
「休憩だから水買いに行ってた。お前こそ、そっちはもう収録終わったんだろ？」
「終わりました。だからオッパたちの班もこっそり見ようと思って」
ほんの少しだけ恥ずかしそうにしながら、Aはそう言った。そこでふと思い出す。この前会った時にAはデフィを応援していると言っていたはずだ。
「ふうん。デフィが目的か」
「違うって言ったら嘘になりますけど...」
「お前にもそんなアイドルに会いたいみたいな感覚があったなんてな」
「誤解です、そういうのとはちょっと違います。デフィくんが歌ってるの、実際に聞いてみたかったから。でももうレコーディング終わってそうですね。残念」
そういえばこいつはそういう奴だった。真剣な目のAに、少しでもミーハーな気持ちがあると疑ったことを心の中で謝った。Aは根っからのアイドルで、ミュージシャンで、音楽が好きな馬鹿だ。だからみんなから慕われ、好かれるんだろう。
気が付けばレコーディング室の前まで戻ってきていたらしい。ちらりと中を覗くと、それぞれ自由に話していてこちらの様子に気づく奴はいない。
「あと１５分くらいあるけど、中入ってく？」
「いや、私は部外者なんでそれは遠慮しておきます」
「じゃあミンギ呼んでこようか？」
「んー、暇そうだったら話したいです」
「どうせ暇だろ。ちょっと待ってて」
中に戻ってミンギを探すと、案の定暇そうにしている姿が目に入った。
「ミンギ。外にA来てる」
「え、マジ！？行く行く」
こっそり伝えると素早い動きで外に向かっていくミンギを見送って、ちらりと視界に入ったそいつをどうしようかと考える。
これはもう、Aが会いたいとかじゃなくてこっちが会いたがってるだろうな。
「デフィ、ちょっと来い」
「え？何？」
戸惑いが驚きの表情に変わるのは、あと数秒後の話。
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ゆび - この作品に出会えてよかった……ありがとうございました………Chocolatちゃんたちの未来に幸あれ……🌸🌸続きが読めないことは残念ですが、またどこかでお会いできる日を楽しみにしております！！ (2022年12月3日 18時) (
レス) @page41 id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
smallpeach(プロフ) - 久々に読ませていただきました。この作品本当に大好きです。完結表示が出ていて寂しい気持ちもありますが、ここまで続けていただいてありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。 (2022年10月4日 0時) (レス) @page41 id: eabc0d3a73 (このIDを非表示/違反報告)
pn_ba1(プロフ) - こちらのお話はもう更新されないのでしょうか？ (2022年8月21日 1時) (レス) id: d4e59b8d7f (このIDを非表示/違反報告)
yui.(プロフ) - 大好きな作品なので更新とても嬉しいです！これからも応援しています！＾＾ (2021年11月16日 7時) (レス) id: 16bd37e790 (このIDを非表示/違反報告)
ネプコ - とても面白くて一気読みしました！！！興奮が止まりませんwwお忙しいかとは思いますが、体に気をつけて更新頑張ってください！応援しています❣ (2021年10月4日 19時) (レス) @page38 id: 171786c0ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔
| 作成日時：2018年3月22日 18時
