９２(jiwoo) ページ19
「では、そろそろカメラ入ります！」
慌ただしく楽屋を行き来するスタッフを見ながら、まだ信じられない気持ちでいた。
「私ウギョルに出るんだけどさ」と、移動車の中でAがおもむろに口にしたのが数時間前の話だ。まるで今晩の献立を言うようになんてことない風に言うものだから、私もユンソも一旦聞き流しかけた。
『あんたそれ...大丈夫なの？』
なんで早く言わないのとか誰とやるのとか、聞きたいことは山ほどあるはずなのに、真っ先にそんな言葉が零れた。だってこの前好きな人ができたって言ってたのに。その気持ちどうなるの？もしその好きな人がウギョルの相手だったらどうするの？こんなことをいちいち気にしないといけない私たちの立場が、今はもどかしかった。
『大丈夫だよ』
Aはただ小さく笑ってそう言った。
「サラオンニ宛てに手紙がきたよ！」
ユンソの大きな声で現実に引き戻される。撮影が始まった。
考えても仕方がない。目の前ではカメラが回されている。やるしかないのだ。
「開けて読んでみてよ」
「うん。えっと..."サラさん、この度はご結婚おめでとうございます。"」
「結婚だって！」
「本当に実感湧かないわね」
少しはしゃぎすぎているユンソの言葉に相槌を打つ。先に私服に着替えていたらしいAは、相変わらずの無表情で淡々と手紙を読み上げている。
「"旦那様は映画館で待ってます。これから移動して会いに行きましょう。"なんでまた映画館？」
「しかもこれ、サラオンニが前よく行ってた映画館じゃない？」
指定された映画館の名前を指差しながらユンソがそう言った。
「ほんとだ」
「これって番組側が指定したんですか？」
私がそう聞くと、カメラの横にいたスタッフがコクコクと頷く。
「オンニに関係ある人かも」
「たまたまっていうパターンもあるわね」
「あれ、この映画館...」
「どうかした？」
「いや、うん、懐かしいなと思って。とりあえず、行ってくるよ」
「帰ったら根掘り葉掘り聞くから！」
「いつも通り落ち着いてゆっくり話しなさいね。できるだけ穏やかな表情で」
「子供じゃないんだから」
早速出かけようとする背中にユンソと二人声をかけると、Aは照れくさそうに笑った。ドアの向こうに見えなくなるまで手を振る。上手くいくといいけど。
「あの映画館ってたまにAオンニが友達と映画見たりしてたよね。まさかその誰かだったりして」
ユンソがぼそりと呟いた。
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ゆび - この作品に出会えてよかった……ありがとうございました………Chocolatちゃんたちの未来に幸あれ……🌸🌸続きが読めないことは残念ですが、またどこかでお会いできる日を楽しみにしております！！ (2022年12月3日 18時) (
レス) @page41 id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
smallpeach(プロフ) - 久々に読ませていただきました。この作品本当に大好きです。完結表示が出ていて寂しい気持ちもありますが、ここまで続けていただいてありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。 (2022年10月4日 0時) (レス) @page41 id: eabc0d3a73 (このIDを非表示/違反報告)
pn_ba1(プロフ) - こちらのお話はもう更新されないのでしょうか？ (2022年8月21日 1時) (レス) id: d4e59b8d7f (このIDを非表示/違反報告)
yui.(プロフ) - 大好きな作品なので更新とても嬉しいです！これからも応援しています！＾＾ (2021年11月16日 7時) (レス) id: 16bd37e790 (このIDを非表示/違反報告)
ネプコ - とても面白くて一気読みしました！！！興奮が止まりませんwwお忙しいかとは思いますが、体に気をつけて更新頑張ってください！応援しています❣ (2021年10月4日 19時) (レス) @page38 id: 171786c0ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔
| 作成日時：2018年3月22日 18時
