３６（joshua） ページ16
そこで彼女に会ったのは本当に偶然だった。
「なぁ、あれって...」
スンチョルが小さな声でそう言った。目の前のスクリーンでは相変わらずハードなアクションシーンが続いている。久々のオフに映画に行こうと誘ってきたのはジョンハンだ。じゃあどうせならということで９５ラインの３人で行こうということになって、今に至る。
「スンチョルなんて？」
「いやだからあれ、サラ先輩じゃない...？」
スンチョルの視線を辿れば、二列前の右斜め下に最近見慣れた横顔があった。黒のローキャップから覗く髪はジョンハンと長さも色も同じで、ミンギュが本当にそっくりだと言っていたことを思い出した。画面が明るくなるたびにはっきり見える無表情は間違いなくChocolateのサラその人だった。
「うわほんとだ」
「へぇ...あの人こんな映画見るんだ」
「ジス、悪い顔してる」
派手なアクションシーンが見どころのこの映画を顔色も変えずに見ている。時折パクパクとアイスクリームを口に運びながら、楽しそうでもなく、かと言ってつまらなさそうでもなく、ただ見ているというように彼女はスクリーンに視線を向けていた。
「なんか変な気分だな。こんなところで会うなんて」
と、ジョンハンが言った。Chocolateと活動が被って三週間、昨日彼女たちはグッバイステージを迎えた。Chocolateが三週連続一位を獲得したその最後のステージを、ミンギュやスングァンが名残惜しそうに見ていた。最初の挨拶回りの日以降、他の２人のメンバーにも会うことができた。僕たちはお互いに廊下で会えば少し挨拶する程度の仲にはなっていたが、まだ同業者というような雰囲気は抜けず、僕はそれを心のどこかで悔しく思っていた。
「終わったら話しかけようか」
「やめとけジス」
「なんで？ジョンハンだって僕と同じだと思ってたけど、違った？」
そう言うとぐっと押し黙るジョンハンは、やはりミンギュの言う通りサラ先輩に少しだけ似ていた。本人もそれは少し感じているはずだ。そして一番ジョンハンの隣にいる僕が、サラ先輩に会うたびに少しだけ口角があがる彼に気づかないわけがない。かく言う僕も、サラという人物にとても興味があった。僕らのそれを表現するなら、純粋な興味だ。
「まぁ...無視するってのもあれだし、声だけかけてみるか」
「スンチョルがそう言うなんて意外だね」
「初対面であんなにビビッてたのに」
そうからかうと、グーで腕を殴られる。もうすぐ映画が終わろうとしていた。
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けーぽらぶ(プロフ) - 夜明けのパンセ楽しく読ませてもらっています!!更新頑張ってください!!ｵﾁがジェヒョンだととっても嬉しいです(←私事 (2018年5月13日 10時) (
レス) id: 9254041074 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - momoさん» ペンだなんて…！嬉しいお言葉ありがとうございます；；このごろ時間ができたのでできる限り更新しようと思いこんな感じになっています(笑) パンセ３もまたよろしくお願いします(^^) (2017年9月5日 21時) (レス) id: 73e1005785 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - サミさん» コメントありがとうございます！やっとここまで追いつきました(笑)もう少しNCTも出せるようにしたいです… (2017年9月5日 21時) (レス) id: 73e1005785 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - この頃たくさん更新が続いていて、朔さんペン＋夜明けのパンセペンとしてはとても嬉しいです…！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 更新頑張ってください！！また１から読み直してニヤニヤして来ます！笑 (2017年9月5日 14時) (レス) id: 24b0e028a7 (このIDを非表示/違反報告)
サミ(プロフ) - 最近更新多くて嬉しいです！NCTデビュー！他メンバーも出てくるの期待します！ (2017年9月5日 1時) (レス) id: cb3d8806c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔
| 作成日時：2017年3月5日 1時
