７ ページ8
「Aヌナ、今日トッポギ食べに行こう」
「え、また？」
「じゃあチキン」
「ピザにしようピザ！」
「私はアイスが食べたいんだけど」
あの補習あとから、ミンギュとスングァンとはタイミングが合えば一緒に帰るようになった。
全裸発言録音事件は私たちにまるで秘密を共有しているような謎の団結力をもたらし、また同じく歌手を目指しているという共通点から仲良くなるのにさほど時間はかからなかった。
「今日も全裸先生絶好調だったよね」
スングァンが苦々しげにそう呟く。
あのあと、私が二人にこっそりデビューが決まっていることを伝えると、二人はそれはそれは嬉しそうに喜んで、その日からあの先生をこっそりと『全裸先生』と呼び始めた。
録音した音声はご丁寧に私とスングァンにも送られ、いざという時の切り札のように、全員大切に保管している。
「ねぇほんとヌナ超尊敬なんだけど。あれに三年間耐えてたわけでしょ」
「復讐心は膨らんだけどね」
「僕はミンギュヒョンがいつ問題を起こすかひやひやしてるんだけど」
「スングァンはビビりだな。ちょっと軽く言い返したくらいじゃあの先生なんにも感じないって」
ミンギュがニヤりと笑いながら汗を拭いている。気が付けば８月になっていた。刻一刻とデビューは近づいている。
「あ、そういえばヌナのデビューって１２月だっけ」
「そうだよ」
「デビューしたらアイスケーキでお祝いしようって今思いついたんだけど、できないね」
ミンギュが心底残念そうに肩を落とした。
「冬だからね」
「じゃあチキンでお祝いしようよ！」
「スングァンはチキン好きだね」
「Aヌナ、そうやって半笑いで言うのやめてくれる？人をデブみたいに...デブだけど！」
「スングァンは可愛いから、ちょっと丸みを帯びてるほうがいいんだよ。赤ちゃんみたいで」
赤ちゃんってなんだよとぶつぶつ文句を言うスングァンの頭を撫でると、ミンギュの頭がぬっと現れたのでついでに撫でてやる。なんだか弟が二人できた気分だった。
「ヌナ、嬉しそうだね」
「わかる？」
「わかりにくいけど、わかるよ。ね、スングァナ」
「Aヌナは目で語るタイプだね」
スングァンの言葉にうんうんと頷くミンギュを見て、また嬉しくなった。
「二人のデビューが冬じゃなかったら、そのときはアイスケーキでお祝いしようね」
「やった！ヌナ約束だからね」
「ついでにチキンも買ってあげるからねスングァナ」
「だから半笑いで言うのやめてってヌナ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美花(プロフ) - 占ツクで出会った作品の中で一番大好きな作品！何度も1から読み返してます(笑)忙しいと思いますがたくさんの読者様が待っていると思うので更新頑張って下さい！楽しみにしてます＼(^^)／ (2019年11月17日 22時) (
レス) id: 0f98af2827 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - コメントありがとうございます。主人公やメンバーたちもしっかり書きたいと思って書いてるので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2017年3月3日 2時) (レス) id: 73e1005785 (このIDを非表示/違反報告)
日(プロフ) - 面白すぎてニヤニヤしながら読んでました！すっかり主人公ちゃんペンに染まりました＼(^^)／更新楽しみに待ってます！ (2017年3月1日 17時) (レス) id: 44c4a20251 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - モカさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。頑張ってどんどん更新しますのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年2月28日 18時) (レス) id: 73e1005785 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 弟マークが可愛いです！ NCTの小説の中で一番好きです！ (2017年2月28日 10時) (レス) id: bb5a902697 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔
| 作成日時：2017年2月21日 11時
