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side貴方
聞いた事もないような低い声。
今すぐにでも飛びかかりそうな彼に「まずい」と思った私は彼の手を取る。
「神威、ちょっと来て。神楽、少しだけ彼借りてもいい?」
「もちろんネ!」
「朧ごめん。少し待っててくれる?」
「ああ。……大丈夫、なのか」
「うん、ごめんね」
「…………」
先程のを見たからか、心配そうに眉を下げる彼の頭をくしゃ、と撫でる。
優しいなぁ朧は。
大丈夫だよ、と微笑んで少しだけほ、と息をついた彼を確認し私は神威を引っ張ってひと気のない裏道まで来た。
意外にも大人しくついて来てくれた事に内心びっくりしつつ、体を引き寄せて抱きしめる。
出来るだけ優しく、落ち着かせるように背を撫でると息を呑む彼。
その後、ポツリと言葉を発した。
「………ごめん」
「いいよ、気にしないで。でもどうしたの?何かあった…?」
「……あいつ、Aの何なの?どういう関係?」
「え、と…朧は前に怪我してたのを見つけて、手当てして…そこから仲良く(?)なったんだけど…」
「……………ほんと?」
「うん。それだけだからどういう関係って言われると分からないけど、でも…過ごした時間は少なくても、神威や皆と同じように大切な人」
「……………」
無愛想に見えて、実は凄く優しく気配りが上手。
世間には少し疎いみたいだけど、知る度に僅かに瞳を輝かせてるのが可愛い。
銀時達とは色々あるみたいだけど、私にとったら皆大切で大好きな人。
「…………俺と同じ?」
「うん」
「…………ならやだ」
「え」
「同じじゃやだ。…特別がいい」
「へ」
「っ俺は、Aの特別になりたいの!」
「分かった⁉」と赤く染まる頰で叫ぶようにそう言うと、突然唇が重なる。
腰と後頭部にがっちりと手が回り、息継ぎの暇さえ与えない程深く深く絡まる彼の舌。
お互いから漏れる吐息が熱くて脳にまで甘い痺れが届く。
きゅ、と彼の服を握ると更に腕の力は強まり、背中がしなるまで唇を押し当ててくる。
ど、どうしたんだろうほんとに…?
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かっぱの子(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!作者も出来れば全員の落ちが書きたい…!とは思うんですが(^^;全員分作れるよう頑張りますね!! (2018年3月27日 21時) (レス) id: 28c80c45d6 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - めっちゃ面白いです!はまりました!ときどきピンクがあるのがまたいい!沖田最高です!できれば全員の落ちがみたい・・・です! (2018年3月19日 20時) (レス) id: 493df71fa5 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - こあらさん» ありがとうございます!!^ ^もう既に大分話数くっちゃってますね…wこれからもっともっと急展開になっていくのでお楽しみ下さい!! (2018年3月16日 11時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - やったー!一番だー!新作出したと聞いたので急いで飛んできました!!いやー今回もとても楽しみです!ー相変わらず大好きです!ほかの作品もずっと応援しています!これからも更新頑張ってください!もう一度言います!大好きです!長文失礼しました! (2018年3月11日 23時) (レス) id: 1bc18c067e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年3月11日 20時