ひどーい評価 ページ34
「俺、持っていくの手伝うよ!
どれかひとつだけなんて、こんなに美味しいのに勿体ないよ!」
ゴンは肉巻きおにぎりと生姜焼きの乗ったお皿を手に取る
ニヒッと笑い「ねっ?」と言うゴンにボクはお礼を言う
こうなったら持っていこう
審査結果をもらわずに後悔するよりはマシだもんね!
ボクはお皿に移した肉じゃがと焼き豚を持ってゴンと一緒にメンチさんとブハラさんの元に向かう
「A、忘れ物だ。」
「えっ?」
後ろから話しかけられ、振り返ると肉野菜炒めを持ったクラピカがいた
持ってきてくれたんだ…
「ありがと!
…それじゃあ、よろしくお願いします。」
ボクとゴンとクラピカは試験管ふたりの前に料理を置く
「1番まともな料理が来たわね。それじゃ、ジャッチターイム。」
メンチさんはパクリと1口、生姜焼きを食べ
ブハラさんは肉巻きおにぎりと焼き豚の串を両手に食べ始める
「ん〜、うまい!合格!」
ブハラさんは速攻合格を出してくれた
よかった…
残るはメンチさんだけ…
「…ダメね。」
「…っ…。」
「肉はしっかり火が通ってるし、味もちゃんと染み込んでるわ。焼き方を工夫したのね。
隠し味にりんごを使ったのかしら?
どちらもいいけど、それが強すぎて肉本来の甘みが台無しよ。」
…自分で言うのもなんだけど、なんて言われようなんだろう…
4人の感想を聞いて終わりたかった
まぁ、予想してた通りではあるんだけど…
続いてメンチさんは肉巻きおにぎりを食べる
「肉巻きおにぎり、発想はとてもいいわ。でも、味が濃すぎるわね。
ご飯に味付けをしなかったために濃いめにしたんでしょうけど、それじゃあ生姜焼きと同様、肉本来の味がしなくて台無しよ。
少し辛味も引き立てようとしたのね。だったらバターは使わない方がいいわ。」
…悔しい
こんなに言われて悔しくないわけがない
でも、それよりもメンチさんのすごさに圧倒されちゃう
食べただけで隠し味や使った調味料1つ1つがわかるなんて
「…ありがとうございました。」
はぁ…なんか、どっと疲れた
ボクは残ってしまった料理を持ってキルア達の所に戻ろうとしたが、ブハラさんが全部食べると言ってくれた
ボクは手ぶらのまま4人の元に戻る
「予想通り、ダメだったよ。」
「そんなぁ…俺は美味しかったけどなぁ。」
「…その感想だけで十分だよ、ゴン。ありがとう。」
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作者名:りんご | 作成日時:2022年9月8日 4時