ここにいる【銀魂】第11章

481 ページ36

side貴方






______私だけが元に戻らないまま一週間が経った。


仕事先では一応おじさんにはお話して、お客さんには心配させてもいけないので私の兄という設定で働いている。


私的には問題なく女の時と変わらず過ごしてるんだけど…








「「……」」



「…総悟、神威。無言で睨んでくるのやめよう？」



「…つまんない」



「左に同じ」



「…ごめんね」







二人共カウンター席に座り、それぞれ頬杖をついて口を尖らせている。


目の前に置かれたお冷は既に4杯目で、偶におじさんがまかないを出して下さりちゃんとお礼は言うものの膨れたままもぐもぐしていた。


二人がこんなに不機嫌な理由。


分かってて謝る事しか出来ない私。






「A、筋肉がそんなに好きなら俺のいくらでも触ってくれていいですから」



「お侍さんのじゃもの足りないでしょ。俺の方が固いし、Aに頼まれなくてもずっとぎゅってしててあげるから」



「「だから早く戻ってくだせェ/戻ってよ」」



「…う、うーん…」







源外さんに訳を聞きに行ったらしく、少しでもその姿を気に入ってると元に戻りにくいと告げられた後妙ちゃん達とデート(?)してる私のとこまで全力で走ってきた二人。


ものすごく肩を揺さぶられ若干酔ったなあの時は。



総悟なんか「やっぱり」みたいな顔で最終的には筋肉に対するデメリットまで語ってきた。







「…因みに聞きやすけど女に戻りたいって気持ちはあるんですよねィ？」



「……えー、と」



「あるよねA」



「は、はい」







ありますと言わざるを得ない二人の圧。



実際の所を言えばどちらでもいいというのが本音だけどそんな事口が裂けても言えない。



じと、と二人の視線が突き刺さる。



おじさんはそんな私達の様子に苦い表情で見守っていた______






.

482→←480

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す