ここにいる【銀魂】第11章

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No side







「どうにか撒けたな…」





過ぎ去って行く人を見てほっと息をつくヅラ子。


その隣でアホ毛をぴょこぴょこ立たせる朱色の女の子は面白くなさそうに口を尖らせていた。





「あーぁ、これ邪魔ー。自分の揉んでも何も楽しくないし」



「ならば俺が…」



「ロン毛のお兄さん本気か冗談か分かんないから喋らないで」



「お姉さんだ！」



「さっき俺って言ってたじゃん」








流石ヅラ子。


あの神威にツッコミをさせる人間は少ない。


あまり普段ないコンビだが、調子を狂わされているのが神威の方だとは、彼の保護者も思いもしないだろう。






「そう言えば前お妙殿が、下着を着けずに走ると垂れるとか言っていたな…」



「え、嘘。てかそれ今言うの、あんなに全力疾走した後で？」



「だが確か着物の下には下着を着けないとも聞いた事があるようなないような…」



「ねぇロン毛のお兄さん俺の声聞こえてる？もしもーし」



「はっ‼神亜殿！」



「え、怖い何、近い怖い」








神威が怖いとの言葉をこれほど簡単に使わせた人間は彼くらいだろう。


彼の言葉など右から左なヅラ子は顔をぐいぐい近付け、心なしか興奮気味に話しを続ける。





「…Aはどうなのだろうか」



「……え」



「よし、会ったら聞いてみよう」



「勇者だねお兄さん」








そうと決まればAを探すぞ！と一歩路地の外へ出たヅラ子。


バタリと鉢合わせしたのは女(?)になったエリザベスで…






『捕まえたわよつくお』



「よくやったエリ子、流石は吉原一のくノ一」



「………」



「………」








自身が見つかる前にサッと物陰に隠れた神威。



見たものに現実逃避しそうになったのはこの時が始めてだとこの後彼は語る_______







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