お嬢の狂犬

組員 ページ4

一花たちと別れて正門を出て、コンビニの方に向かう。

駐車場に停まる見覚えのある車に向かう。


後部座席の扉を開けて乗り込むと岩本が振り向いてタピオカのカップを差し出した。

自分はLサイズ、私はMサイズ。


岩本「新作も飲んでみます？」


飲みかけのタピオカを差し出す岩本、私はそれを受け取って口に含む。


A「美味しい、けどいつものやつの方が好きかな」

岩本「俺はこれありだなぁ」


慣れた手つきで運転をする岩本をぼーっと見つめる。


助手席に乗れないわけは後部座席にスモークがはってあるから。

そんなに厳重にしなくていいのになんて思うけど母親を亡くしてるんだ、そりゃ父親も厳重になるだろう。


岩本「今日の英語のテストどうでした？」

A「んーまあまあ」

岩本「昨日勉強してましたもんね」


大丈夫ですよ、とバックミラーに笑顔が見える。

なんで勉強してたこと知ってるんだ、あぁ朝机に教科書出しっぱだったからか。

なんでそんな細かいところまで見てるんだろう、期待しちゃうじゃん。


家に着いて車から降りて家に入る。


「おかえりなさい！あ！タピオカ！」

「ねぇ俺らの分は？」

岩本「最初から買う気ないでーす」


出迎えてくれたのは佐久間と渡辺。

岩本の1歳上の組員、岩本と仲がいい。

だからか私も組員の中では話すほうで、仲良くしてもらってる。


佐久間「お嬢のはミルクティーすか？」

A「そう、飲む？」

佐久間「いいんすか！優しーい！！」


佐久間にさし出すとひとくちタピオカを飲む。

うめぇ！とはしゃぐ佐久間をじっとみている渡辺にも差し出すと嬉しそうに飲んでいた。


渡辺「やっぱお嬢は優しいなぁ？」

岩本「なんだよこっちみて」

渡辺「別にぃ？」


帰ってきてそうそうこの騒がしさ、退屈しないんだこの家は。


「お嬢、おかえりなさい」


そう言って廊下を歩いてきたのは深澤、渡辺たちと同じ組員だ。


深澤「組長が話があるらしいですよ」


お父さんが私に話？なんかしたっけ？

父親が話なんて滅多にないから少し緊張気味で部屋まで向かった。

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