クズって本当ですか？

第10話 ページ11

肩につくくらいのボブだったのが少しだけ伸びていい感じにはねる長さになった頃。私に美容院からお誕生日クーポンが届いた。

そういや今月誕生日だ…クーポン、だいぶ安くなるなぁ…これは行くなぁ…



ということで、誕生日の1週間前に美容院へ。


深「いらっしゃぁせぇ！！」
堀「うるさ…」


ラーメン屋かって、と荷物を預けて席に着く。

今回はカラーも込みだから割と時間がかかるため、土曜日に来た。お客さんも心なしか多い。


深「カラー久々だね」
堀「うちの会社髪色そんなうるさくないんですけどずっと染めてなかったんで…久々に」


言うてそんな明るくはしないし今と変わらないくらいだろう。意味あんのか、とは言わないで。自己満だから。


深「どんな色がいい？」


カラーチャートを見せてもらうが特にピンと来ず。そういえばカラー久々すぎて何も用意せずに来てしまった…

んー、どうしよ、どうせそんなに明るくはしないし…でもちょっと雰囲気変わるくらい…いや、わからん。


堀「ふっかさんはどれがいいと思います？」


迷いに迷って無意識にした発言。返事が返ってこなくて彼を見ると目を丸くして驚いていた。


深「え、俺？俺の意見？」
堀「美容師さんに聞くのが一番だと思ったんですけど…」
深「あぁ、そゆことか、いやまぁ…」


なんか嬉しそうですけど…そんな生き生きとカラーチャート見てる美容師さんいますかね…


深「そんな明るくしたくないっしょ？」
堀「そうですね」
深「じゃあこんな感じは？若干ブルー入ってて…」


色持ちがこれくらい、落ちてもそんな明るくならないし…と色々聞かせていただいたのでその色にすることに。


深「や〜俺が勧めたボブに俺が勧めた髪色…たまんないね！！」
堀「ボブに関してはふっかさんだけじゃないです…」
深「でも俺も勧めたし！」


そんなにルンルンされるともう否定もできない…本当、憎めないというか、人に好かれそうというか…

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